パーロイドのパーツについて ~後編/行き過ぎパーロイド編~

こんにちは。
今回も前回に続いてパーロイドのパーツについて取り上げていきたいと思います。
前回は主にピックガードやペグといったパーツやシグネチャーモデルに採用されているパーロイドを取り上げました。どれもカッコ良かったり可愛いらしかったりで取り上げていてとてもテンションが上がったのですが、今回は副題に付けている通り「行き過ぎた」ものを取り上げたい思います。


Musicman Silhouette Special Mod (Candy Red)

まずはホワイト・パールに並び立ってパーロイド・ガード界の両翼を担っている(と個人的に思っている)ブラック・パーロイドです。何と言うか…その…悪魔的な魅力がありませんか?
スタッフ間でも度々「持っている/これから買うギターのピックガードを黒パーロイドに交換しよう」という話になるのですが、僕は未だに交換したことはありません。何故なら、1度交換してしまうとその奇抜なルックスに目が慣れ、正気を保てなくなるような気がするからです。
僕は入社して間も無い頃、James TylerのShmearフィニッシュの楽器を見て「奇抜で派手で、頭がおかしくなりそうだ、このルックスを好きになる線は薄いんじゃないかな…」と思っていました。しかし、数年経った今となってはもう「綺麗でかわいいし、写真に映えるし撮影するのが楽しみだ、早く次のJames Tylerの入荷はないかな…!」と割といつも考えるようになってしまっています。


James Tyler 2016 Studio Elite HD (Alien Guano)

慣れとは恐ろしいもので、以前ならどう考えても選ばないようなルックスでも「この楽器のルックスカッコいいな、こういう楽器持ってないしいつか買ってもいいかもな」となってしまうのです。めちゃくちゃカッコいいですよね、Alien Guanoに黒パーロイド。


James Tyler 2018 Studio Elite HD NAMM 2018 (Raspberry Shmear)

続いては赤パーロイドです。ピックガードを製作している業者さんなどのオーダーページにラインナップされていたので赤いパーロイドの存在自体は知っていたのですが、まさかこれまたJames Tylerがやってくれるとは思ってもみませんでした。
個人的には正気の沙汰ではないなと思うのですが、よりにもよって「Raspberry Shmear」というこれまた鮮やかな「赤」の立体的に変化するカラーリングを採用しているのがたまりません。ピックガードは3プライになっているのでちゃんと黒と白のフチがあり、遠目から見たらピックガードがわからない、なんて心配も無用です。

さらにはインレイのパーロイドも赤味がかったものを採用しています。これはたまりませんね。
そしてこのモデルは何と言ってもNAMM Showモデルなので気合の入り方が違いますね。他のメーカーでもショーモデルにはひときわ目立つ仕様のものが多く、派手で変わった仕様で「いいじゃん!」と思って近い仕様のものを探すとショーモデルで実質ワンオフ、というのはよくあるパターンです…。


Duesenberg 49er (Blue Pearl)

続いては青パーロイドです。と言ってもピックガードやインレイ、ペグなどのパーツではありません。なんとボディトップにパーロイドがあしらわれています。しかもカーブトップ。
ここまでくるともう感覚が麻痺してきますね。派手さは申し分ないですし中々イケててカッコいいんじゃないでしょうか。個人的にはシンプルさの目立つルックスで煌びやかさが足りないのでビグスビーや同社の「Starplayer」のアームユニットや、パーロイドのガードを搭載したいところです。
他のスタッフさんがこれを「ボーリングの球」と仰っていましたが本当にその通りですね。このDuesenberg 49erシリーズは取り上げたBlue Pearl以外にも生き物の鱗のようなルックスの「Outlaw」や牛柄のフィニッシュなど面白いトップが取り揃えられています。


Nash Guitars 2012 T-69 TL Light Aged (White)

最後に取り上げるのは原点回帰の白パーロイドです。なんとこの楽器、パーロイドトップにパーロイドガードなんです。と言ってもさっきのDuesenberg 49erを見た後では驚きも半減、ですかね…。
僕が1番注目したいのはボディとピックガードの色味の対比なのです。素材の厚みの差か、はたまた偶々なのか、なんとヤケの具合が違うんです。さらにはパーロイドの”目”の大きさも微妙にですが異なっています。ただ適当にパーロイドをあしらっただけではなく、こういった経年による変化や表情の違いも楽しめる…。なんて素敵な楽器なんだろう、と思います。

ちなみにマッチングヘッドです。僕はこのヘッドが非常に気に入りました。次にこの仕様のものを見かけたら本格的に買ってしまいそうです。シンラインっていうのも良いですよね。

僕は昔、手に入れたフジゲンのムスタングのパーロイド・ガードが気に入らず、黒1プライのものに交換して使用していました。ですがここに来てやっとパーロイドの良さが分かってきたので、こういった自分の変化はとても喜ばしく思います。
思えば今年は入社して2-3年目で、所持している楽器も増え、見る目云々はさておいてもそろそろ楽器を見ること自体には慣れてきて、目新しいものなどには出会いにくくなるのかな、と少し思っていました。しかし蓋を開けてみれば目新しいものを血眼になって探す日々で、それを目の前にしては試さず買うか、まず試して見送るか、という1年を過ごしていたように思います。
機材について考えるのは結局のところ非常に楽しく、来年もそうして過ごせたら色々あってもなんだかんだ楽しく過ごすことはできるのかな、とは思います。なので来年は、まず正月休みの間にお気に入りの楽器のピックガードをパーロイドにするところから始めたいと思います。

それでは。

James Tyler 2016 Studio Elite HD (Alien Guano)

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