アニリンダイ

今回は前回の続き、ギブソンレスポールのボディバックやネックグリップに使用される、アニリンダイという物質についてです。

オリジナルレスポールのバックや、SG、レスポールジュニアなどのチェリーカラーに使用されており、ヒストリックコレクションにおいても紆余曲折を経て、2014年以降はずっと採用されています。

アニリンは石油を原料に作られる合成染料で、19世紀の中ごろ英,仏,ドイツなどで合成染料が発明されましたが,その主要原料がアニリンであったため,天然染料に対して合成染料を一般にアニリン染料と呼ばれていました。

ギブソンでは色を調合し、フィラー(目止め)とまぜて導管の中まで刷り込み木材を染色し、クリアラッカーで仕上げる、という手法がとられています。
導管に残るチェリーと、ラッカー内に残るチェリーの視覚的効果により、奥深く鮮やかな美しい仕上がりとなります。

アニリンダイは耐光性が弱く、経年変化でフェイドしやすいという特徴があります。
ヴィンテージのチェリーカラーは、落ち着いた色味にフェイドしているモデルも多いですよね。
そんな経年変化を楽しむために、ギブソンはあえてアニリンダイを採用しているようです。


確かに自分で新品で買ったギターが、徐々にヴィンテージギターのような風合いになっていく過程を楽しめるのなら、こんなに楽しい事は無いのかもしれませんね。

細かい仕様変更を繰り返しながら、日々進化していくギブソンですが、今後のリイシューモデルに大いに期待するばかりです。

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