ギターに使用される木材の加工のお話。
以前はギターに使われる色々な木目の木材についてでしたが、
今回はその木材がギターとして製材されるまでの過程のお話です。
まずは、ギブソンやフェンダーでも採用されているメイプルの加工材です。
ギブソンではUSA製品のレスポールやSGの指板に採用されており、ベイクドメイプルと呼ばれていました。
なんとなく美味しそうな名前ですが、最高温度148度にもなる熱処理が行われることにより、
木材に蓄積された水分が蒸発し、硬度が増すのだそうです。
見た目もこんがり焼けたトーストのような茶色になります。
遠目に見る分にはローズウッドとあまり変わらない様に見えますが、
色むらが少なく、冬目もあまり目立たないので違いがわかると思います。
続いてはフェンダーのロースト加工材。
フェンダーではメイプルだけでなく、様々なボディ材にもロースト加工が行われています。
アルダーはもちろん、オクメやパイン等、珍しい材料にもロースト材が存在しています。
ギブソン同様、木材の安定性や硬度を求めて加工がなされていると思うのですが、
フレイムメイプルネックなどは、フレイム自体の濃淡が強調されるのでより美しい杢目が堪能できますね。
最後にちょっと変わり種を。
Killerの代表モデル KG-Prime signature バーンドナチュラルです。
カラー名が表すように、ボディのアッシュ材をバーナー加工により焦がして木目を強調しています。
こちらは強度よりルックスのために行われた加工ですが、日本は昔から木の表面を焼いて炭化させた木材を建築材などで使用している歴史がありますから、そんなところから着想を得たのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
今回は火で熱する加工のお話でしたが、湖に沈む神秘的な木材のお話はまた次の機会に。