Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その16
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その15/
“Sorcerer’s Apprentice”(魔法使いの弟子)のギターを持ってポールは様々な大手ギターメイカーを訪れました。
アメリカ国内ではGuildやKramer、果てはYAMAHAとの交渉のために日本にまで交渉に行きました。
しかし残念ながら、この企画はどのメーカーにも受け入れられることはなく、頓挫することになってしまいます。
しかしここで進化されたボディ&ヘッドデザインやトレモロユニットは.、その後のPRSに繋がる大きな収穫となりました。
“Sorcerer’s Apparentice”(魔法使いの弟子)プロジェクトや通常のギター製作業務と並行して、ポールとスタッフ達による新たなギターデザインの研究はさらに続けられました。
ポールの目指していたものは、”Gibson Les Paul”と”Fender Stratocaster”を融合したものであり、その新たなデザインには2年ほどかけて入念に作られました。
そしてついに完成した2本のギターは、現在の”Custom24″と”Standard”のプロトタイプとなるものでした。
両ギター共に6弦側カッタウェイの長いアシンメトリーボディシェイプで、細かな相違点はあるものの現在のモデルにかなり近いものとなりました。
“Custom”はフレイムメイプルトップ、ヴィンテージイエローカラー、バードインレイ、スイートスイッチ、1Vol&Tone。
“Standard”はオールマホガニー、パールホワイトカラー、ムーンインレイ、スイートスイッチ、1Vol&Tone。
余談ですが、この2本はPRSのアーカイブコレクションとして本社に保管されています。
(“Standard”はTed Nugentに後ほど使用されることもあったそうです。)
1984年、ポールはこの2本のプロトタイプを手にして、アメリカ東海岸のギター・ディーラーへ売り込むツアーに出ました。
この時、ポールは28歳。
~続く~