Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その29

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その28/

ストライプ柄の“METAL”モデルやそれに続いた“Special”モデルの製作や開発と並行して、PRSが正式に発足から翌年となる1986年にはPRS内におけるさらなるハイエンドモデルとなる“Signature”モデルが製作されました。

ポールは、すでに”ハイエンド”や”高価”であるというイメージで売り出していたフラッグシップモデルである”Custom”モデルよりさらに$1,000以上も高い価格で販売するPRSの中でも”Ultimate”なモデルを製作することに決めました。

これについてポールは、
“このグレードの木材にしては価格が安すぎる”という知人からの意見を受けたことで、
“それならば本当に厳選した最高のメイプルやマホガニーを使用したギターを作って、ヘッドにはサインもしよう”
と思い立ったそうです。
そうして製作されたのが、”Signature”モデル。

この”Signature”モデルは、1986年Summer NAMMで”PRS BASS”と一緒に新製品として紹介されることになりました。

当時の他のモデルに使われない”Whale Blue”などのカスタムカラーがあり、ボディやネックに最高級の木材の使用、ヘッドにはポールが直筆サインしたモデル。

基本仕様は”Custom”モデルと変わらず、バードインレイは標準仕様であるものの、現在のリミテッド達のような煌びやかな装飾などはこのモデルには施されていませんでした。

しかしこの”Signature”モデルは、ポールの目論見通り、その価格にも関わらず大好評を得ることになりました。

そして1990年まで製作が続けられ、計1000本生産されたのちに生産完了となりました。

生産完了の理由についてポールは、
“当時ツアーなどで長期に渡り外出していることも多かったからサインする時間がなかったんだ”
と笑いながら語っています。

初の”Ultimate”PRSギターとして、のちに続くコレクターズアイテムとなるような数々のリミテッドモデルたちの礎を築くモデルとなりました。

~続く~

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