2021年6月4日 / 最終更新日 : 2021年6月4日 toshiakikasuya REGULAR 168『最終話』 『藻の月』の若きギタリスト・レンが、森の中に引っ越した。 鳥の鳴き声と川のせせらぎが心地良い “緑の中”に、である。 名栗渓谷から流れる川に沿って、一本の山道をひたすら登って行くと、川の反対側に数件の集落が見えてくる。 誘われるままに小さな橋を渡り夏草の香る土道を行くと、風に揺れる樹々を背景にして少 >> Read more
2021年4月15日 / 最終更新日 : 2021年4月16日 toshiakikasuya REGULAR 167『トケイ(時計)』 北鎌倉から石神井に戻り、 古い平家を改造しながら 気ままに暮らしている頃だった。 玄関だったスペースに床板を貼り、 簡易的な仕事場にしていたのだ。 (昭和風な土間がある玄関である) であるから、 この家に入るには、 隣りに建っている母家の玄関から 入らなければならなかった。 母家の廊下と平家の縁側と >> Read more
2021年4月12日 / 最終更新日 : 2021年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 164『ひまつぶし』アナログレコード・限定リリース! 初めて『ひまつぶし』を聴いたのは、 エミリからもらったカセットテープだった。 こういっちゃあ、 怒られるかも知れないが、 すごく聴きやすいロックに思えた。 『WALKMAN』に入れて 横須賀線の車窓に流れる景色と共に、 良い気分になって聴いていた気がする。 北鎌倉から会社に行く間の 至極のリラックス >> Read more
2021年4月6日 / 最終更新日 : 2021年4月6日 toshiakikasuya REGULAR 166『26歳の夏』China Cats Trips Band ある日、家に帰ると、 家族が10人に増えていた。 いや、正確な数はわからない。 数えなかったからである。 和風の居間に 横長のソファがあったのだが、 そこを新たな家族が横一列に占領し、 余った数人が窓辺にいた記憶がある。 「あの人たちはなんなのさ」 会社から帰った夫は妻に問うた。 「わたし、知らない >> Read more
2021年3月30日 / 最終更新日 : 2021年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 165「村八分」京都円山野外音楽堂 今更ながらだが、 『村八分』はミステリアスだ。 それは、やはり チャー坊の存在感によるものだと思う。 あの妖艶さは他に類をみないし、 作って作れるものではない。 京都という舞台もよかった。 日本のロックが創世記だったのも 時代にマッチしたのだと思う。 しかし、 いろいろな話を聞いてみると、 そう >> Read more
2021年3月26日 / 最終更新日 : 2021年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 164『ひまつぶし』完全復刻盤で限定リリース! 初めて『ひまつぶし』を聴いたのは、 エミリからもらったカセットテープだった。 こういっちゃあ、 怒られるかも知れないが、 すごく聴きやすいロックに思えた。 『WALKMAN』に入れて 横須賀線の車窓に流れる景色と共に、 良い気分になって聴いていた気がする。 北鎌倉から会社に行く間の 至極のリラックス >> Read more
2021年3月24日 / 最終更新日 : 2021年3月24日 toshiakikasuya REGULAR 163『国立ブドウ園/吉祥寺』ラブ&ピース 公園の桜が咲いた。 野球場のぐるりを取り巻いていて、 学生の頃はみんなで花見して騒いだもんである。 そんな若い頃、 確か20歳か21歳くらいの頃、 国立に『ブドウ園』っていう共同住宅があって、 「RCの清志郎なんかも住んでるらしいぜ」 っていう噂話に花が咲き、 1部屋五千円だという部屋を 友達と借り >> Read more
2021年3月17日 / 最終更新日 : 2021年3月17日 toshiakikasuya REGULAR 162『ジャケット撮影/アーティスト写真』 春浅い日曜の高円寺は、 予想通りの人出であった。 北口のロータリーには 時間を持て余す若者たちが、 行くあてもなくたむろっている。 そんな高円寺駅のガード下に車を停め、 『藻の月』のメンバーを待つことにした。 今日はバンドの撮影をするのだ。 俗に言う『アー写(アーティスト写真)』 というやつである。 >> Read more
2021年2月25日 / 最終更新日 : 2021年2月25日 toshiakikasuya REGULAR 161『高円寺/3月の満月夜に』 今年はテンポ良くブログを 書き進めるつもりだったのだが、 やはり月日の方が一足早く進み、 あっという間にひと月が過ぎてしまった。 それでも寒い季節に峠が見え、 日増しに春を想わせる今日この頃、 皆様はいかがお過ごしでしょうか? こちらは、久々に音楽のある日々に 浸っている感じなのである。 『藻の月』 >> Read more
2021年1月20日 / 最終更新日 : 2021年1月20日 toshiakikasuya REGULAR 160『石丸忍(いしまる しのぶ)画伯』藻の月展 子供の頃は誰でも芸術家だ。 歌うことや、描くことが 大好きなのである。 小学校に入学した時、 隣に座っていた N澤くんが描いた風景画が とても気に入った。 緑の山と空のコントラストが印象的で、 思わず真似て描いてみたら “学校賞”をとってしまった。 「僕の絵を真似したでしょう」 廊下に貼り出された >> Read more
2021年1月6日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 toshiakikasuya REGULAR 159『青ちゃんの誕生日』 昨日は青ちゃんの誕生日だった。 正月明けの1月5日で ちょうど70歳になる。 おめでたい生まれなのだ。 出生はは台東区の 北部に位置する日本堤。 日雇い労働者の集まる三谷に隣接し、 北東に行くと『あしたのジョー』の 舞台にもなった『泪橋』がある。 「道を間違えんなよ、ちょっと間違ったら『吉原』に行っ >> Read more
2021年1月1日 / 最終更新日 : 2021年1月1日 toshiakikasuya REGULAR 158『明石海峡』謹賀新年 久しぶりの神戸だった。 以前訪れた時から勘定して 20年近くも経っているのだろうか。 コロナ禍の大変なご時世だが、 身内の引越しを手伝うため 神戸まで来たのだった。 最近はだんだんと 時間の観念が麻痺している。 昔やら現在が、 目の前を行き交う船のように 距離感や速度感なく 通り過ぎて行くのだ。 た >> Read more
2020年10月30日 / 最終更新日 : 2020年10月30日 toshiakikasuya REGULAR 157『東芝EMI』 赤坂見附から虎ノ門に至る「外堀通り」は、 かつては「溜池」とよぶ、 外堀兼用 の上水源だったという。 かなり細長い溜池で ひょうたん池と呼ばれていたのだとか。 その「外堀通り」と「六本木通り」が 交差した「溜池交差点」に かつての『東芝EMI』はあった。 「私が入社した頃はさ、“溜池のピサの斜塔”っ >> Read more
2020年8月20日 / 最終更新日 : 2020年8月20日 toshiakikasuya REGULAR 156『特別な夏』 城跡の横にある小道を ママチャリで下っていく。 見上げると深緑の景色から 刺すような夏日がこぼれていた。 「今日も35度以上の猛暑になりそうです。熱中症にお気をつけください」 どのメディアも気候の急変に 注意喚起を促している。 ため息が出るほど長かった梅雨が じわじわと心を揺らしたかと想うと、 一夜 >> Read more
2020年7月16日 / 最終更新日 : 2020年7月16日 toshiakikasuya REGULAR 155『幸せな時間/“転々”』 7月に入ったが梅雨は明けず、 ゆっくりと自粛の時間が流れている。 こんな時は日がな一日 もの思いにふけったりするのだ。 やりたいことを考えては 密かに妄想をする。 聴き心地の良い音楽を探して 少し遠くのスピーカーから流し、 “何をしようか” なんて漠然と想うのである。 フリーの生活をしていると、 そ >> Read more
2020年6月21日 / 最終更新日 : 2020年6月21日 toshiakikasuya REGULAR 154『つげ義春からBEATLESまで』 『おうちでゆっくり』 にも慣れてくると、 何処にも行かないことが けっこう愉しくなってくる。 元来、怠け者なのだ。 随分と長きに渡り 働く人のフリをしてきたが、 「実は違うんです」と、 自らの表面をひるがえしたい。 こんな(ゆったりとした)ときは、 『つげ義春』の世界に浸りたいと思い、 通販で何冊か >> Read more
2020年5月31日 / 最終更新日 : 2020年5月31日 toshiakikasuya REGULAR 153『新しい日常/六人組』 突然、暇になった。 何もかもが宙に浮き、 まるで時間が止まったかのようである。 季節変わりの天気を眺めながら、 はるか昔に想いを馳せてみる。 あの頃も、突然に変わってしまったのだ。 会社員と音楽マネージメントとの 馴れない二足のわらじを履いて、 早回しのハムスターように くるくると廻っていた日常が、 >> Read more
2020年5月2日 / 最終更新日 : 2020年5月2日 toshiakikasuya REGULAR 152『ゲームチェンジャーGame changer』 『山口冨士夫とよもヤバ話』 を書き始めて5年目の春がきた。 エミリが冨士夫としのぶを引き連れて 我が家を訪れてから、 実に40年近い年月が経つのだ。 その頃とたった今とを比べると、 僕らはとっても良い時代に 若い時期を過ごしていた気がする。 当時は未来への選択肢が 幾つもあったからだ。 とりわけ怠け >> Read more
2020年4月12日 / 最終更新日 : 2020年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 151『池におちる夢』 池におちる夢をみた。 公園で釣りをしていたら、 誤っておちたのだった。 夢の中の水は、 生命力や健康、 感情の象徴であるという。 水がたまった池の状態は、 自分自身の心理状態を 反映しているのだというのだ。 だから、少しビックリした。 真夜中にドキドキとしたのである。 子供のころは、 ひとりでいるこ >> Read more
2020年3月26日 / 最終更新日 : 2020年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 150『遥かなるメコン川』 20年以上前になるだろうか、 メコン川に行ったことがある。 ご存知だとは思うが、 メコン川とは、 チベット高原に源流を発し、 中国の雲南省を通り、 ミャンマー・ラオス国境、 タイ・カンボジア・ベトナムを およそ4200キロに渡り流れ、 南シナ海に抜けていく 国際河川のことだ。 アジア人であれば、 人 >> Read more