2015年12月10日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 029 『ラブソング』 029 『ラブソング』 グッ、ナイト 12月に入り、クリスマスソングが師走の街に流れ始める頃、突然に青ちゃんが連絡してきた。「話したいことがあるんだ」と言う。それは、とてもめずらしいことだった。いつも用があるのはコチラ側からで、めんどくさがり屋の青ちゃんは、それを斜に構えて聞く。そんなんが、僕らの >> Read more
2015年11月21日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 028 『シーナ&ロケッツ最終章/ライヴ録音』 028 『シーナ&ロケッツ最終章/ライヴ録音』CAPTAIN GUITAR AND BABY ROCK(1986) 冨士夫の部屋に入ると、 バッグの中身が散乱していた。 ベッドの上から床まで、 まるで嵐のあとのようだ。 「いったい何があったのだろう?」 と思いながら部屋の奥に進むと、 ベッドの向こう >> Read more
2015年11月15日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 027『プライベートカセット』Just Friend Of Mind 027『プライベートカセット』Just Friend Of Mind 86年の夏真っ盛り、突然、冨士夫が電話してきた。「何やってんだよ!トシ!録音するんだろ、早くやろうぜ!」そのとき、冨士夫はすこぶる調子が良かったのだと思う。シーナ&ロケッツの仕事もひと段落して、いつになく上機嫌だったのかもしれない >> Read more
2015年11月4日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 026『THE FOOLS ♠1985』空を見上げて 026 『THE FOOLS ♠1985』空を見上げて FOOLSと付き合うのは愉しかった。 バンドにも幾つかの編成期がある。僕にとってのFOOLSは、やっぱりカズがいたときだ。ファンキーなリズムが性に合ったのである。 カズの父親はドラマー。母親はダンサーだ。 「ガキの頃からドラムをやらされてさ、 >> Read more
2015年10月25日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 025『ウィスキーズ』フラフラ 025 『ウィスキーズ』フラフラ 今回の主役は、青ちゃん。 青ちゃんは相当に頑固だった。一度決めたらテコでも動かない。その点、ある意味、冨士夫は寛容だ。「冗談じゃねぇよ!」って、強面を決めても、「わかったよ」って、こともある。青ちゃんには、そういうことはない。 冨士夫が『RIDE ON!』のレコーデ >> Read more
2015年10月14日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 024『ぶっつぶせ!』どうしようかな 024 『ぶっつぶせ!』どうしようかな 新宿・歌舞伎町にあった 『サンダーバード』の話から始めようと思う。 1970年の秋も深まりつつある ちょうど今と同じような季節、 僕は、中三の遊び盛りだった。 周りは受験モード一色だったが、 何故か僕には、遊ぶことしか考えられなかった。 その夏は代ゼミに通った >> Read more
2015年10月3日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 023『シーナ&ロケッツ/九州ツアー』YOU MAY DREAM (LIVE 1986) 023『シーナ&ロケッツ/九州ツアー』YOU MAY DREAM (LIVE 1986) 「誠っチャンとは、裸の付き合いをしてぇんだ」と、冨士夫は言う。1月の対談から半年余り、もっとわかり合える方法はないだろうか?いつも探してる感じだった。 そんな、鮎川さんのほうは、冨士夫がいろいろと気に病んでいる >> Read more
2015年9月24日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 022 『ギャザード』 『Blues Carnival ’86』7/13日比谷野外音楽堂 022 『ギャザード』 『Blues Carnival ‘86』7/13日比谷野外音楽堂 僕は、あさはかなほどに何でもすぐに決めたがるクセがある。「いいかげんだよね」って、そこかしこで言われたりするのだが、そうゆうつもりは毛頭ない。いろんな物事がプラスに見えてしまうのだ。だから、見る前に >> Read more
2015年9月15日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 021『シーナ&ロケッツ/カリブのフジオ』 SHEENA & THE ROKKETS – LEMON TEA (LIVE 1986) 021 『シーナ&ロケッツ/カリブのフジオ』 SHEENA & THE ROKKETS – LEMON TEA (LIVE 1986) 当時の僕らには、 とんと見る機会もない女の子たちが 束になって目の前にいる。 高校生くらいだろうか? なかには中学生だっていそうな気がする。 そ >> Read more
2015年9月4日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 020『鮎川さんが来てるよ!』SHEENA & THE ROKKETS – CAPTAIN GUITAR AND BABY ROCK 020 『鮎川さんが来てるよ!』SHEENA & THE ROKKETS – CAPTAIN GUITAR AND BABY ROCK 「鮎川さんが来てるよ!」 スタッフが指差すほうを見ると、 出入り口のドアにもたれかかるように 長身の『鮎川誠』が立っていた。 実は >> Read more
2015年8月15日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 019『Like a Rolling Stone』 019 『Like a Rolling Stone』 リハビリ城に居る冨士夫から手紙がきた。 「ワルいが3人でやってて欲しい」 そんな内容が淡々と綴ってある。 そう、3人になっちまった『TUMBLINGS』 どうしたもんかと マサと話し、ヒデと呑み、 青ちゃんとライヴのプランを決めていった。 高円寺 >> Read more
2015年8月10日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 018『皆殺しのバラード』皆殺しのバラード 018『皆殺しのバラード』皆殺しのバラード 冨士夫の映画を観に行った。 ポップコーンとコーラを買う。 すると、観ているうちに ぽろぽろと色んな想いがこぼれだした。 スクリーンに映し出されるシーンとは別に 頭の奥深くでみんなが動いているように思えた。 冨士夫には二つの顔があるのだと思う。 それも極端な >> Read more
2015年7月26日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 017『たいまでたいほ』さびたとびら 017『たいまでたいほ』さびたとびら 私は濃いB型。両親、兄弟、すべて同じ血液型だ。よって、嫌なことは自然に忘れてしまう能力がある。 「カ○ヤはあれだな、臭いものにフタだな!」 と、冨士夫の担当弁護士だった『F』先生からもよく言われた。 その『F』弁護士に初めて会ったのは84年の冬、南阿佐ヶ谷の青梅 >> Read more
2015年7月19日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 016『存在自体が非常識』 汽笛が 016 『存在自体が非常識』 汽笛が 「トシ、150万用意してくれ、 スタジオを作ろうと思う!」 久々に冨士夫の鼻息は荒かった。 こっちはいきなり張り手を くらったようなものだ。 “パーン”っと、 目の前が真っ白になっている瞬間に 高円寺まで呼ばれていた。 気がついたら『BOOWY』の事務所にいた。 >> Read more
2015年7月13日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 015『外道、Too Much、村八分』Mustang Sally 015 『外道、Too Much、村八分』 Mustang Sally 高校生のころ、『外道』が好きだった。『キャロル』と同じように暴走族の親衛隊がついていて、「外道に礼!」と、挨拶するところもなんだか可笑しくて良かった。当時は、長髪族とリーゼント族が仲悪く、イベントをやると、そこかしこで小競り合い >> Read more
2015年7月5日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 014『ライブハウス協会』 Dear Prudence 014 『ライブハウス協会』 Dear Prudence 毎日、雨で鬱陶しいですね〜。皆さんはどうしてますか?これから夏が来て暑くなると思うと、それもまた覚悟が必要です。なんちゃって、いろいろと要らぬ事が気になりますが、ここはひとつ、暑さをゆるくする、お寒いお話を。 ときは1983年の冬、12月のこ >> Read more
2015年6月24日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 013『ジュニア』 Blues jam 013 『ジュニア』 Blues jam 『TUMBLINGS』のシーンでは、周りに先輩が多かった。ベビーブーム世代が世にはびこり、そこかしこでブイブイ言わせていたのだ。客にしてもそうだ、冨士夫たちの昔からの知り合いが多く、「よぉ!そこの、マネージャーさん、ビールお願い」なんて言ってくる。さすがにそ >> Read more
2015年6月17日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 012『チョコ』 イカれてブルー 012 『チョコ』 イカれてブルー 「トシ、チョコやるよ」 新宿の御苑スタジオでツインリバーブを積み込んでたら、冨士夫がチョコのかけらをくれた。「あんがと」なんでこんなゴミみたいなチョコをくれるんだろ?って思いながら口に入れた。“うわっ!苦い”っていうか“まずい!”あわてて“ゴクン”っと飲み込んだ。 >> Read more
2015年6月13日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 011『LONDON』 My Girl 011 『LONDON』 My Girl ロンドンで映像の仕事をしているカラトというプロデューサーが、「冨士夫をロンドンに連れて行きたい」と言って来た。隣にはいかにもという感じの英国人が同席していた。とりあえず、二週間の滞在予定でロンドンに行くと言う。その間にバックバンド・メンバーのオーディションと >> Read more
2015年6月10日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 010『Ride on!』 No song 010 『Ride on!』 No song 『New wave』 って言葉は聞こえが良かった。今思うと、何でもかんでも新しくしたがってる時代のフレーズだったって気がする。80年代に入り、今までの価値観がドッと変わっていった。長髪がテクノカットになり、テクニックよりも味のあるバンドがウケる。やたらと >> Read more