2015年6月6日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 009『焼き芋』 おさらば 009 『焼き芋』 おさらば やっと梅雨っぽくなってきたけど、ここらでひとつ季節はずれのホットな話を。まだ冨士夫が免許を持ってた頃の事。鎌倉の海岸通りをよくドライヴした。 そんな、暮れも押し迫ってきた82年の12月。何かと慌ただしい季節に冨士夫とエミリは引っ越した。横浜に新居を構えたのである。 「ク >> Read more
2015年6月3日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 008『村八分〜1』 水たまり 008 『村八分〜1』 水たまり 「チャー坊はステージ前になると必ず「できひん!」って言うんだ。びくびくしちゃってさ、見てらんない。すると、冨士夫もそわそわしちゃって、それがみんなに伝染して行くんだよ」そう言うと、青ちゃんは奥の部屋からギターを持って来た。「いま、何がしたい?」って聞いたら、「バンド >> Read more
2015年5月24日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 007『ジョニーが呼んでいる』 007 『ジョニーが呼んでいる』 ジョニー・サンダースの映画が公開されている。いろいろな人が証言していて面白いとか。それでは、ここでひとつ、冨士夫にまつわるジョニー・サンダースの小話を。 ときは1985年の1月のこと。鳥井賀句から「ジョニーが呼んでる」って電話がきた。「ジョニーって?」「ジョニー・サ >> Read more
2015年5月19日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 006『嘘つき退治』 Come on Boogie 006 『嘘つき退治』 Come on Boogie 1982年の冬、冨士夫は音楽をやめていた。持っていたギターを全て燃やし、知り合いとのコンタクトを断って北鎌倉に居たのだと思う。だから、穏やかで静かだったのだ。 それでも、近所に冨士夫フリークが居て、まだ少年だったがよく冨士夫に会いに来ていた。その >> Read more
2015年5月14日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 005『普通の人』何処へ行っても 005 『普通の人』何処へ行っても 1981年、北鎌倉での話。鎌倉に向かう街道にある小さな一軒家に僕は住んでいた。季節は春先。ちょうど桜の花びらが裏山から庭に降り注いでいる頃。「雪みたいだな」なんて、縁側からそれをを眺めていた。 突然、“がたん!”と、庭木戸が鳴った。その瞬間に庭の桜の花びらが散り消 >> Read more
2015年5月9日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 004『ほんもの』ジュディのごまかし 004 『ほんもの』 ジュディのごまかし とっても昔のはなし。中二の夏のこと。同級生に、せともの屋のボンがいて、エレキギターを持っていた。「触らせてやるよ」って言うもんで駅前の、せともの屋の二階に行くと「ついに出たよ、日本からも、ほんものが!」とか言って、いきなりEP盤をかける。聴いたとたんにビリビ >> Read more
2015年5月4日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 003『マリファナ拝見致します』ノックアウト・シャットアウト 003 『マリファナ拝見致します』ノックアウト・シャットアウト 「マリファナ拝見致します!」いきなり後方から聞き慣れた声がした。『ギョ!』っと思い、振り返ると冨士夫がドアの前で仁王立ちになっている。「ヤベエ!冨士夫だ!」とたんに、横に座ってる佐瀬が前かがみになるもんだから、こっちもつられて身体を折っ >> Read more
2015年4月27日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 002『Over there』オルゴール 002 『Over there』オルゴール 2008年の春先だから、もう7年も前の事になる。ちょうど今と同じように暖かくなってきた頃、冨士夫はオルゴールを作りたがっていた。「良いアイデアだと思わない?」って聞くから「いいかも…」って応えたけど、だけど、何でまた、オルゴール?よく理解しないままにカラ返 >> Read more
2015年4月11日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR 001『草臥れて』 001 『草臥れて』日だまりの庭 その日は朝から「いい感じ」だった。エミリからのメールには『ふじお、サケ やめたよ!』と、あった。『ホントに?』と、返したら、『くれば わかるよ』だった。にわかには信じられない。それほどまでにこの頃の冨士夫は酒浸りだったから。冨士夫ん家に着くと、いつの間に伸びたのか草 >> Read more
2015年4月11日 / 最終更新日 : 2017年10月5日 toshiakikasuya REGULAR イントロ 冨士夫と会うのは久し振りだ。 一昨年の夏に突然のお別れをしてからだから……一年半振りか。 アッ!そう言えば少し前に会ったな、夢の中で。 そうそう、ある道の角を曲がったら いきなり『バッ!』っと、冨士夫の顔が目の前に現れてビックリ! そのあと、スーッっとフェイドアウトするように消えていったね。 あれは >> Read more