いろいろなメイプル材の杢目について。
今回はメイプル材の美しい杢目について考えてみようと思います。
メイプル材はボディ、ネック共に多くのギターに使用されているポピュラーな素材ですが、
その種類は数多く存在しており、特徴的な杢目は楽器自体の顔とも呼べる非常に重要なパーツですね。
メイプル材は非常に多くの杢目が存在しますが、成長過程でお天気が良かったとか、寒すぎたとか、ちょっとした傷から雨水がしみ込んでしまった等の気候変動により、ほとんどの杢目が生み出されています。杢目はその木材の成長の記録、とも言えると思います。
まずはキルテッドメイプル。
国内ではキルトメイプルとも言われますけれど、吸い込まれそうな3D感のある杢目が非常に特徴的で、細かいものからフレイムに近い杢まで様々ありますが、これは木が成長する過程で短期間に急成長した時期と、そうでもない時期が混在する事により生まれる特殊な杢目なんです。
丸太の状態からどのような木取りで製材するかによっても変わってきますので、面白い素材だと思います。
そして定番のカーリーメイプル。
基本的には真っ直ぐに現れる杢目で、ギターではフレイムとか、ピンストライプ、タイガー等、見た目によって様々な名称があります。
バイオリンの裏板なんかもいわゆるフレイムメイプルが圧倒的に多いですから、昔から美しいメイプル材の代表格だったのではないでしょうか。
日本では縮み杢とか、ちりめん杢と呼ばれています。
ちょっと変わったところで、バーズアイメイプルと、スポルテッドメイプル。
バーズアイメイプルは、その名の通り鳥の目のような模様が浮かび上がる何とも不思議な杢目です。
目の中心部分はキルテッドメイプルのようにやや光沢のある杢となっています。
スポルテッドメイプルは、成長過程に雨水が筋状にしみ込んだりした際に、年月をかけて黒く変色していったものとなります。
どの杢目も自然が作り出す、素晴らしい芸術作品なのだと思います。
ギターのルックスに華を添えるメイプル材ですが、その成長の歴史に思いを馳せてみるのも面白いかもしれませんね。
それではまた。