エレキギターの”Fホール”について
こんにちは。
今回はタイトルにもある通り、エレキギターのホールについて取り上げていきたいと思います。
著名なところではGibson、Gretsch、Fenderなど、数多くのメーカーがホロウボディーのギターをラインナップしています。その場合必ずと言ってもいいほどボディートップには”Fホール”がありますが、メーカーによってその形状は様々です。
“F”の概念に捉われていないメーカーや、”ホール”の概念に捉われていないメーカーもあるので、僕のお気に入りをいくつか取り上げていきたいと思います。
最初に1番馴染みがあるであろうスタンダードとして1900年代初頭からマンドリンやアーチトップギター等、
Fホールのある楽器を製造し続けているGibsonのFホールから見ていきたいと思います。
2012 Historic Collection 1963 ES-335 VOS Nashville (Stain Cherry)
こちらはHistoric Collectionでのリイシューモデル、2012年製「’63 ES-335」です。
同じGibsonでもモデルや年代によって形状が異なっていますが、よく見るGibsonのFホールはこういった感じでは、と思います。
Gibson 1970s ES-335TD MOD (Sunburst)
そしてこちらは1970年代製「ES-335」です。
同じES-335でもこういった年代のものだと少々大きく、少々無骨めな形状なのがお分かりいただけるかと思います。
Gibson Custom Shop 2015 Custom Crimson L-5 CES Wes Montgomery (Ebony Black)
そしてこちらはGibson内でのリイシューの最上位ラインCustom Crimsonの「L-5 CES」です。
アーチトップに於いての上位機種であるL-5は、1936年からバインディングのあるFホールが採用されます。さすがGibsonの高級機種ですね。バインディングをいたるところに巻いてきます。
さて、定番の紹介はこのくらいにして、ここからは個性あふれる他ブランドのものを取り上げていきます。
まずはGretschです。
Gretsch 1991 6120 (Orange)
こちらは1991年製の「6120」です。
大きく、エッジの効いた形状がまさにアメリカな雰囲気を感じます。
クラシック・スタイルのホット・ロッドカーのようなトゥー・マッチさがたまりませんね。
Gretsch 2018 G6136-55VS Vintage Select Edition ’55 White Falcon (White)
こちらは2018年製の「’55 White Falcon」です。
Falconのような上位機種にはホールにラメバインディングが施され、より派手で高級感のある仕上がりとなっています。
Gretsch 2002 6119-62HT Tennessean (Burgundy)
そしてこちらは2002年製の「Tennessean」です。
Gretschといえば”ダミーFホール”が採用されたこのモデルも有名ですね。個人的には、楽器屋に勤めるまではホールが空いているものだと思っていました。
次もまた”ホール”の概念を取り払った”ダミーFホール”が続きます。
次はIbanez PGMシリーズです。
Ibanez 2002 PGM 10th Anniversary Paul Gilbert Model (Natural)
こちらは2002年製「PGM 10th Anniversary」です。めちゃくちゃに絵が描いてあったりでそこにも触れたいのですが、今回は”Fホール”のお話を……。
このシリーズも”ダミーFホール”としては名のある(?)シリーズかと思います。
ちなみにPGMのホールがダミーだということは勤める前から知っていました。Gretschにはボディに厚みがあったりで先入観があったのでしょうか……。
Ibanez 2002 AG75 (Sunburst)
とはいえIbanezのFホールが全てダミーというワケではなく、ホロウボディのモデルにはちゃんと穴が空いています。
他のブランドのものと比べてみると、”f”の横線部分の張り出しが少なく、流れるような形状なのが特徴です。
Fホールひとつとってもこれだけ違いがあって、楽器には本当に見るところが尽きないな、と思いました。
次回は今回に続き、さらに形状や構造が変わった”Fホール”を紹介していこうと思います。
それでは。
Ibanez 2002 PGM 10th Anniversary Paul Gilbert Model (Natural)