エレキギターの”Fホール”について~その2~
こんにちは。
今回は前回に引き続き、タイトルにもある通りエレキギターのホールについて取り上げていきたいと思います。
前回はこちらから(エレキギターの”Fホール”について)
前回は定番ともいえるGibson、「穴が空いていない」Gretsch、Ibanezのホールをご紹介しました。今回はFホールはもちろんですが、”F”に囚われていないものもご紹介いたします。
Fender 1967 Coronado II (Cherry)
まず取り上げるのは1967年製「Coronado II」です。
FenderとFホールの付き合いは結構長く、60年代からホロウボディモデルをラインナップしています。
そんなFenderのFホール創世記の名作といえばCoronadoです。以前取り上げた「Antigua」フィニッシュが生まれたのもこのCoronadoからですね。
ホールの形状ですが、Gibson等に比べスリムな形状で両端の丸も縦長です。また、ホールの内側にバインディングが施されているのも特徴ですね。
Fender 1968 Telecaster Thinline (Natural)
次に取り上げるのは1968年製「Telecaster Thinline」です。
FenderのFホールの歴史の中で、Coronadoの次に登場したのはTelecaster Thinlineでした。
Coronadoとはボディのサイズに差がありますが、単に縮尺が変わっただけではありません。
両端の丸への縦棒の食い込みがやや深めで、内側にバインディングが施されているCoronadoと見比べるとよりスリムに感じます。
Fender Made in Japan Limited F-Hole Thinline
(画像はFender 日本版公式Twitter @Fender_Official より引用 / 引用元URLはこちら)
それから50年ほど経った2021年、Fenderは新たな”F”ホールの形を世に送り出します。
まさかのスパゲティロゴの「F」そのもの。他ブランドが絶対に真似できないホールですね…。これには驚愕しました。そしてさらに2021年にはカスタムショップより”Violinmaster”を送り出したFenderですが、今後もFenderの「F」からは目が離せないですね…!
オリジナルに存在しなかった繋がりで次にご紹介するのはZemaitis。
Zemaitis 2017 CS24SU Chamberlain (Natural)
こちらは2017年製「CS24SU Chamberlain」です。
こちらも”F”の概念からなかなか逸脱していますね。曲線の両端に丸がついたようなデザインになっています。
前回ご紹介したIbanez等に少し似た形状で少々モダンな雰囲気です。
そういえばこのスタイリッシュなホールですが、
他のブランドでも似たものを見かけます。
D’Angelico Excel Style B
(画像はD’Angelico公式Twitter @DAngelicoNY より引用 / 引用元URLはこちら)
こちらはリイシューモデルの「Excel Style B」です。
「D’Angelico」には1930年代製の楽器からかなり近い形状のものが存在しており、現在生産されているモデルでもそのタイプのホールが採用されています。
また、後継ブランドにあたる「D’Aquisto」でもこのホールデザインが継承されています。
Sadowsky Guitars 2007 Semi Hollow/VAM (Vintage Amber)
こちらは2007年製「Semi Hollow/VAM」です。
先ほどから取り上げているメーカーの他にも、SadowskyやCollingsなどがこのホールのスタイルを採用しています。こうしてメーカー名を並べても洗練された印象の楽器に多く採用されているように感じますね。
今回は前回とは違い、モダンへの系譜の感じられるデザインのホールを主に取り上げました。
僕は今はホールのある楽器を持っていないので、これを機にあらためて探してみようかな…と思いました。狙うならシンラインか、はたまたビザール系のハコでしょうか…。まだまだ欲しい楽器は尽きませんね…!
それでは。
Fender 1968 Telecaster Thinline (Natural)