ジェームス・タイラー その6

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1995年、80年代からの顧客であるベーシストのエイブラハム・ラボリエル(Abe Laboriel)と協力して、ベースモデルのネックシェイプやボディのシルエットの改良。

ちなみにエイブラハム・ラボリエル(Abe Laboriel)は、4000を超えるレコーディングを行い、Guitar Playerでは”我々の世代で最も幅広く活躍するセッション・ベーシスト”、Bass Playerでは”The 100 Greatest Bass Players of All Time”のランキングで42位となっている偉大なベースプレイヤー。

1990年代半ばには、アコースティックギターの製作にも着手して、いくつかのプロトタイプができましたが、エレキギターの製作が多忙だったため、アコギの製品化は断念されました。
(タイラーのアコギは非常にレアですが、国内に1本あったのを見かけたことがあります)

1990年代半ば、インターネットの普及により国際的な販売が可能になったことで、オーダーがさらに増えていきます。

1998年には、リズムサーキットを除いたよりクラシックなモデル”Studio Elite HD”がデビュー。

同年、のちにタイラーを代表するフィニッシュとなるシュメアー(Shmear)カラーを開発されます。

2000年には、20世紀の最後の年を記念して、バーニング・ウォーター2000、サイケデリック・ボーミット2000をそれぞれリリース。 

合わせてマングースとタイラー・バスターのミクスチャーと云えるハイブリッド・マングーバスターが発表されます。(その後のマングース・レトロ)

2005年には自身の”夢”だったというオリジナルピックアップの本格生産を開始することになりました。

それまでタイラーではSeymour Duncanなど、別ブランドのピックアップを使用していましたが、自社製のピックアップを完成させたことで、ピックアップメーカー”James Tyler Electric”を立ち上げます。

タイラーは、自身が所有する50~60年代のヴィンテージピックアップを長年に渡り、構造/マグネット/ワインディング・パターン/ワイヤーの素材等を長い年月をかけて検証していました。

レプリカを追求したわけではなく、35年以上もの間、数知れない大物ギタリスト達のリクエストに答えながらギター製作に取り組んで来た過程で、タイラー自身が培って来たギタリストが感じる”気持ちの良い音”を求めて製作したそうです。

ピックアップ・ボビン、ポールピースの製造、ワイヤリングも全て自社で行っています。

モデル別に異なる数々のオリジナル・ワインディング・パターンは、個体差を排除する為にコンピューター制御されたピックアップ・ワインディング・マシーンにそれぞれプログラムが組まれているそうです。

シングルコイルのJTSシリーズやハムバッカーのRetro、Shark、Superなどこの頃から発表されたピックアップモデルは、現在のモデルたちにも搭載され続けています。

~続く~

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