ジェームス タイラー その10
前回はこちら。
2014年から”James Tyler Japan”は日本国内での販売を開始。
非常に話題になり、Tylerらしさを十分に持ったギターは高い評価を得ることになりました。
2016年のWinter NAMMではついにアメリカでも発表され、ここでも好評を博すことになります。
2018年にBurning Waterの25周年を記念した限定モデルを75本のみ製作。
翌年の2019年10月、タイラーは2021年68歳の誕生日に引退することを発表します。
新たなジェネラルマネージャーにリッチ・レンケン(Rich Renken)が就任することになりました。
タイラーとは30年以上の付き合いのある人物で、1987年~94年にはタイラーの工房に所属していました。
下記動画内で工房の解説をしているのがリッチ・レンケン氏です。
2010年にはLine 6で勤めていたそうで、タイラーとともにJames Tyler Variaxモデルを完成させています。
(この二人の関係があったためにLine 6とのコラボレーション企画が生まれたのではないでしょうか?)
またタイラーの娘であるサラ・タイラー(Sarah Tyler)も工房で働いています。
彼女は小さな頃から工房で働いていたそうで、ボディ製作、ピックガード製作、ワイヤリング、組み立てなど、ありとあらゆる工程をこなすことの出来るエキスパートだそうです。
彼らを中心としたチームでこれからのJames Tyler Guitarsは運営されていくようです。
タイラーはSNSで引退のことを下記のように語っています。
“自分はJTG (James Tyler Guitars)におけるチームメイトの一人であり、マスタービルダー(Masterbuilder)ではない。
タイラーギターには、一人のマスタービルダーがいるわけではなく、生産体制は常にチームによるものだった。
そして、これからもその体制で続いていく。
正直、一つの小さなブティックギターが、ここまで世界中で有名なものになるとは思っていなかった。
ここに至るまでには、たくさんの驚き、困難、苦悩があり、様々な経験をすることが出来た。
これまで購入してくれた顧客やJTGのファン、自分の名前がヘッドに入った高額なギターを買ってくれた皆に感謝したい。
引退後は、何年も前に始めた1968年のシボレー・ベル・エアのレストアをしたり、フランスの大西洋沿岸の田舎で余暇を過ごしたいと思っている”
タイラーのギター製作に対するスピリッツは、チームに引き継がれ、JAMES TYLER USA & JAPANはこれからも多くのプレーヤー達に愛されていくことでしょう。
~終わり~