[ニコニコ雑記] ジョージ・ハリスンと雑感
こんにちは、店長の野呂です。
先日、パティ・ボイドの写真展&トークショーを観覧して参りました!
60~70年代のジョージやクラプトンにまつわるエピソードを当事者から直接聞くという非常に貴重な体験ができました。
展示してある写真も当時の空気感満載の素晴らしいもので、とても見応えのあるものばかりでした。
また、ロン・ウッドに関して取り上げた前回のブログでシタールにまつわる話をさせていただきましたが、シタールをロックシーンに持ち込んだパイオニアといえばジョージハリスンですよね。
そんなこともあって最近はジョージやそれに関連した音楽をよく聴いているので、今回はその辺りの雑感をつらつらと書き記してみることにします。
まずは今月で発売からちょうど50周年を迎える、1973年の6月22日にリリースされた「Living in the Material World」です。
どの楽曲も素晴らしいのですが、中でもアルバムA面の1曲目、先行シングルとして同年5月にリリースされた「Give Me Love (Give Me Peace On Earth)」は個人的にジョージの全キャリアの中でも特別お気に入りの楽曲です。
楽曲クレジットは以下の通り。
George Harrison – vocals, acoustic guitars, slide guitars, backing vocals
Nicky Hopkins – pianos
Gary Wright – organ
Klaus Voormann – bass
Jim Keltner – drums
イントロや間奏のスライドギターは極めて繊細で美しく、いつ聴いても心が打ち震える演奏です。
アコースティックギターは3フレットにカポを取り付け、4弦解放のFをルートとしたポジション(ローコードのDのフォーム)をトニックとして演奏されており、軽快なストロークが心地よいです。
リズム隊が徐々に加わって盛り上がっていく楽曲の構成も素晴らしいですよね。
クラウス・フォアマンはジョンレノンやルーリードのアルバムセッションにも参加している名ベーシストです。
ジョンの71年の名盤「Imagine」に収録されている「How Do You Sleep?」のセッションの貴重なカラー映像が5年ほど前に公開されましたが、そこでもベースを弾いているクラウスとスライドギターを弾いているジョージが確認できます。
浅くだらしなく椅子にもたれながらベースを弾くクラウスと、前かがみに集中してギターを弾いているジョージの対比が印象的です。
クラウスが弾いているのが、剥ぎナチュラルにベッコウのピックガード、そしてペイントが施されたプレシジョンベースです。(一説では1962年製と言われています。)
ブリッジ付近にはミュート用のスポンジが挟み込まれており、弦はフラットワウンド弦が使用されているのが映像からも確認できます。
アルバム「Living in the Material World」のレコーディングでもこのプレベが使用されていると私は推測しているのですが、実際にはどうなんでしょうか。
ジョージはソニックブルーのストラトを演奏しています。
ボディはピックガードの止めネジの位置から推測するに60年代前期製、ネックはスパロゴなので50年代のメイプルワンピースネックを組み合わせているようです。
ビートルズ時代のジョンとジョージが、1965年のラバーソウルのレコーディングの頃に同じタイミングでお揃いのソニックブルー61年製のストラトをそれぞれが入手しているのはファンにはよく知られた事実ですよね。
(“Nowhere Man”のギターソロで、ジョンとジョージ2人がストラトを使用した音色が確認できます。)
ジョージのストラトは後にペイントされ、それは通称”Rocky”として知られています。
なので、このギターのボディはもしかするとジョンの61年製のストラトのボディなのでは?と推測していますが、いかがでしょうか。
あと気になった点として、ジョージはスライドバーを小指にはめて演奏しています。
それに伴って、どのギタリストがどの指にスライドバーを装着して演奏しているのかが急に気になっていますので、いずれ調査結果を報告させていただきます。
ジョージがスライドを弾き始めたのは69年頃、なので70年末に発売されたアルバム「All Things Must Pass」ではスライドギターがふんだんに使用されています。
もしもビートルズ時代にジョージがスライドを習得していたら、ビートルズの楽曲にどのような変化があったのだろうか、なんてことを妄想してみるのもまた一興ですね。
今回はこの辺で。