[ニコニコ雑記] スライドバーを使用する名手 ~薬指編~
こんにちは、店長の野呂です。
今日も前回に引き続き「スライドバーを何指に装着するか問題」に関しての調査報告になります。
前回の小指派ですが、一人名前を抜かしてしまっていた重要なプレイヤーがいました。
鈴木茂氏です。
日本人プレイヤーとしてはかなり早い時期の70年代初頭より自身の作品やスタジオワークにスライドギターを取り入れていらっしゃいました。
荒井由実時代のレコーディング、永遠のギター名盤「Band Wagon」で多くの名演を残されています。
いずれも繰り返し何回も聴いておりますが、改めてスライドに着目して「Band Wagon」を今日にでも聴き返してみることにいたします。
さて、今回紹介する“薬指派”も”小指派”と同じくらいたくさんいましたので、ピックアップしてまいります。
まず外せないのが、Duane Allmanでしょう。
1971年に24歳という若さでこの世を去っていますが、彼がさまざまなギタリストへ与えた影響は計り知れないでしょう。
1971年にリリースした「At Fillmore East」、クラプトンとの共演で有名な「Layla and Other Assorted Love Songs」といったアルバムでそのスライドを聴くことができます。
特徴的なのが、当時のアメリカでポピュラーだった風邪薬である”コリシディンの薬瓶”のラベルを剥がしたものをスライドバーとして使用していることです。
このコリシディンタイプのスライドバーは現代では一つの定番となっており、似た様な形のタイプがジムダンロップやダダリオなどのメーカーから販売されています。
非常にロマンのあるアイテムなので私も実際に使用を試みたことがありますが、通気性が悪いためにかなり蒸れるという弱点があります。
また、大変興味深いことに、The Allman Brothers Bandのメンバーとしても知られる以下のギタリスト達全員が薬指にスライドバーを装着しています。
Dickey Betts
Derek Tracks
Jack Pearson
Warren Haynes
ちなみに上記のデレクトラックスと親交が深く、エリッククラプトンバンドのサポートを共に勤めていたDoyle Bramhall II も薬指です。
続いては日本から、Fender社からシグネチャーモデルのストラトが販売されていることでも知られるフジファブリックの山内総一郎氏も薬指派です。
バンドの代表曲、「茜色の夕日」のギターソロでスライドの演奏を聴くことができます。
ストラト&歌心溢れるスライドギターのスタイルは、ジョージハリスン直系といった印象です。
そして個人的に日本のスライドギターの名手として推したいのが、山川のりお氏 (ギターパンダ)。
真島昌利氏がブルーハーツと並行して行っていたソロ活動で91年にライブ映像が発表されているのですが、山川氏はそこでリードギタリストを努めており、複数の曲でスライドを弾きまくっており最高です。
他にも、薬指派を挙げていくと以下の通り。
Rory Gallagher
Michael Landau
Jimmy Page
Blake Mills
松浦善博氏
牛尾健太氏 (おとぎ話)
薬指派のメリットとしては、中指と小指でバーを挟むことでしっかりとバーをホールドしやすいことではないでしょうか。
また、小指で真鍮素材などを使用すると結構な重さを感じて辛かったりするので、重めのバーを装着する時には薬指の方が安定感があってよいかもしれません。
次回は小指&薬指に比べると少数派の”中指派”を紹介いたします。
今回はこの辺で。