[ニコニコ雑記] ハープの日 ~Gibsonのフラッグシップ、Style U~
こんにちは、店長の野呂です。
昨日のお話になってしまいますが、8月2日は「ハープの日」だったそうです。
語呂合わせしやすい日付なので他にも「ハーブの日」や「パーツの日」「帆布の日」「ハニーの日」なんかもありますが…。
本日はハープに関するお話を。
そもそもハープは皆様ご存知の通り”竪琴”の一種。
画像のような「ペダルハープ」はおそらく演奏している姿を観たことがあるのではないでしょうか。
同じ弦楽器ながら少しギターからは遠い存在だと思った方、ここからギターのお話に戻りますので少々お付き合いください。
「ハープギター」という楽器をご存知でしょうか?
ハープギターは19世紀に登場したその名の通りギターとハープを融合した楽器です。
おそらく一番有名なのは、Gibson社が生産していた”Style U”というモデルです。
モデル名だけではなかなかピンとこないかもしれませんが、The Bandの「The Last Waltz」エンディングでロビー・ロバートソンが抱えているあの大きな楽器がまさに”Style U”でした、こんな感じの見た目です。
1902年に生産が開始され、なんと1939年まではカタログに掲載されておりました。(結構長い期間なので驚きました。)
構造的には通常のギター部(6弦)と10本の”Sub-Bass”の合計16弦仕様。
ギター部は18フレットの指板があり、ハープ部にはフレットがありません。
ボディサイズは弦が多い分かなり幅広な18.75インチあり、Super 400よりもさらに一回り大きくなっています。
気になるのはお値段。
1930年代半ばを過ぎるとカタログから金額が消えてしまうのですが、1934年当時で$300。
当時はアーチトップのフラッグシップモデルL-5が$275の時代でしたので、かなり高額だったことがわかります。
上記の通り1940年代の訪れとともにStyle Uは姿を消してしまうのですが、後年ソロギタープレイヤーたちがハープギターの魅力に気づき始めます。
その一人が、1980年台以降に活躍したMichael Hedgesです。
画像からもお分かりいただける通りかなりの本数のハープギターを所持していたようで、実際に楽曲”Because It’s There”ではライブでも必ずハープギターが登場していました。
ツアーでの運搬が重かったりデリケートだったりするのか、やがてアコースティックのハープギターを使用しなくなりましたが、1990年代から代わって登場したのがこちら。
Klein製のヘッドレスハープギターです。衝撃的なルックスですよね。
ハープ部こそ6弦とStyle Uに比べ少ないものの、これなら運搬時のトラブルを考えずに使用できます。
加えてマイキングやフィードバック等にナーバスになることなく演奏もできます。
ちなみにKleinのこのハープギターは近年も複数本生産されたようで、6弦ギター部に”S Tele”と同様のヘッドがあるスタイルのものも確認できました。
かなり演奏が難しそうなので私には到底弾きこなせそうにありませんが、1度くらいは挑戦してみたい楽器の一つですね。
今回はこの辺で。