[ニコニコ雑記] バック・トゥ・1966 ~Beatlesの来日公演で使われたアンプ Part.2~
こんにちは、店長の野呂です。
前回に引き続きビートルズの来日公演で使用されたアンプについてです。
Part.1はこちらから。
第一回でコンサートの大規模化により登場した“VOX AC100 Super Beatle”が大活躍したというお話をしました。
そのためジョンとジョージの後ろにはAC100が確認できます。
「あれ、ポールには?」
と思った方は今一度当時の映像を見返していただければと思います。
明らかにひとまわり以上小さいスタックアンプが確認できます。
ヘッドはジョンとジョージと同じくAC100ですが…
キャビネットの右端に確認できるプレート等からも分かる通り、これはT60というトランジスタのベースアンプのキャビネットです。
15インチと12インチのスピーカーが収められています。
91.44(縦)×48.26(横)×30.48(奥行)のキャビネットにヘッドが乗るので、それでもスタックの場合の高さはゆうに1mを超えます。
まだジョンとジョージがAC30を使っていた時代はT60ヘッドも愛用していましたが、日本公演が行われた1966年には生産中止となりました。
さて来日公演ですが、7月1日と2日にはSuper Beatleでないアンプも登場します。
ちょうど1966年に登場したULシリーズのハイブリッドアンプで、プリはトランジスタ、パワーアンプは真空管となっています。
ディストーション、トレモロ、リバーブエフェクトを内蔵しているものもあったりと非常に先進的でしたが、恐ろしく生産台数は少なかったようで2~30台しか現存しないそうです。
日本公演ではポールも含め3人の後ろに設置されています。
ちょうどレコーディングでも使用されていたため、ドイツ公演等でもこのアンプが確認できました。
そして日本公演では使用されていませんが、翌年登場したDefiantというトランジスタアンプに移っていくわけです。
ULも含めた場合、中期からのビートルズの音はトランジスタによって作られたと言っても過言ではありません。
ちなみに60年代~70年代のギタリストは意外にもトランジスタアンプ使用率が高いのです。
T-Rexのマーク・ボランやCCRのジョン・フォガティをはじめ、WEMやKustomなどのトランジスタアンプが背後に確認できます。
敬遠されがちなトランジスタアンプですが、今一度弾いてみると良さが感じられるのではないでしょうか。
今回はこの辺で。