[ニコニコ雑記] ピート・タウンゼントとLes Paul Deluxe
こんにちは店長の野呂です。
明日5月19日は”The Who”のギタリストでメインソングライターでもある、ピート・タウンゼント氏のお誕生日です!
78歳おめでとうございます!
加えて唯一全曲の作詞作曲をピートが務めたアルバム「四重人格」発売からも50年が経ちましたね。
1972年に自身初のソロアルバム「Who Came First」を発表し、ピートの脂がノリに乗っていた頃、大きな機材的な変化がありました。
Les Paul Deluxeの登場です。
Peteが初めてステージでLes Paul Deluxeを使用したのは1971年末、12月4〜5日のデンバー公演でした。
当初はSG Specialとの併用でしたが、1973年には完全にLes Paul Deluxeにスイッチ。
時たまGretsch 6120やDuo Jetは登場したものの、メインの座はやはりデラックスでした。
この頃使用されていたのはチェリーサンバーストの個体です。
![](https://www.niconico-guitars.com/html/blog/wp-content/uploads/2023/05/WhoGETTY800_6_20.jpg)
まだセンターピックアップは増設されていません。
1974年頃になるとお馴染みの”ナンバリングシステム”が開始されます。
そして1976年になるとセンターにフィードバックを起こしやすくするためのDimarzio Super Distortionを増設します。
その姿を復刻したのが2005年に75本限定で発売された、Gibson Custom Shop製の”Pete Townshend Les Paul Deluxe”です!
![](https://www.niconico-guitars.com/html/blog/wp-content/uploads/2023/05/05lpdx_pete.townshend_47_2.jpg)
こちらは「#1」のナンバリングが施されたワインレッドの個体が再現され、ちゃんと3Pメイプルネックでパンケーキボディ仕様になっています。
![](https://www.niconico-guitars.com/html/blog/wp-content/uploads/2023/05/05lpdx_pete.townshend_47_5.jpg)
コントロールノブは1ボリューム、3トーン、2つのトグルスイッチはセンターピックアップのコイルタップとミックス時のフェイズアウト&インです。
当時この#1の他にもゴールドトップの”#3″やチェリーサンバーストの”#9″も生産され、2016年には150本限定でGibson USAからゴールドトップモデルが発売されました。
ピートとデラックスの歴史に戻ります。
1979年のマディソン・スクエア・ガーデン公演からSchecterのテレキャスタータイプを使用しはじめます。
そして1979年12月28日のハマースミス公演を最後に、デラックスはステージから姿を消してしまいました。
理由は”重すぎる”の一言でした。
70年代後半のLes Paul Deluxeの重量はご存知の通りかなり重く、4.5kg超えが普通です。
実際に過去に当店で在庫していた上記のピートのシグネチャーモデルのデラックスも、4.87kgと結構な重量がありました。
ましてや激しいステージングを行うと考えると、当時30代半ばだったピートにはちょっと辛いですね。
最後に「重くても、辛くても当時のピートと同じ仕様でデラックスが弾きたい」
という方のために細かい部分の仕様を2つお教えしたいと思います。
・トラスロッドカバーは基本的に外しておく。
・弦はGIbson Sonomatic 340、ゲージは 012, 016, 016, 032, 044, 056
(元々3弦がワウンドだったため、2弦を流用する)
ピートになりたい方は是非参考にしてみてください!
今回はこの辺で。