[ニコニコ雑記] “剥ぎ”ナチュラルのギター ~Part.1~
こんにちは、店長の野呂です。
今日から10月がスタートし、今年も残すところあと3ヶ月に迫ってまいりました。
最近は過ごしやすい気候になってきて快適ですね。
今年に何か悔いを残さないよう、年末まで過ごして参りたいです。
さて、昨日9月30日はマーク・ボランの誕生日でした。
ちなみにボランが亡くなってから今年で45年経つそうです。
個人的にはT-Rex初期が1番好きなのですが、そのお話はまたの機会にさせていただいて…。笑
今回はタイトルの通り“剥ぎ”ナチュラルのギターについてのお話をいたします。
ご存知の通りマーク・ボランのレスポールはカタログにはないナチュラルフィニッシュになっています。
剥ぎナチュラルのギター、かっこいいと思いませんか?
60年代末から70年代にかけて、さまざまなミュージシャンがギターの塗装を剥がして使用していました。
当時は「塗装を剥がした方が楽器の鳴りが良くなる」という信仰のもと剥がされていたようですが、個人的な趣味で見た目にフォーカスしてお話ししていこうと思います!
まずは今日の主役Marc BolanのLes Paulから。
剥ぎナチュラルですが、少し赤みのあるクリアが吹いてあるそうで、2011年にGibson Custom Shopより復刻された際は”Bolan Chablis”カラーと名付けられていました。
オリジナルのネックに不具合があったのか、1973年頃からLes Paul Customのネックに差し替えられます。
ネック裏だけエボニーブラックなのも非常に特徴的となっていて、クールですよね。
少し話が逸れてしまいますが、個人的にあまりオープンゼブラのPUは好みでは無いのですが、このギターに関してはすごくかっこいいなと思ってしまいます。
次もグラムロック界のレスポール繋がりです。
Mick Ronsonの68年製 Les Paul Custom!
皆様がご存知の通り、デヴィッド・ボウイ・バンド(=スパイダース・フロム・マーズ)時代にメインギターだったこのカスタム。
インタビューによるとロンソンは当時新品でこのギターを入手しており、当然ながら元々はエボニーブラックフィニッシュでPUカバーもありました。
その後ボディトップのみ塗装が剥がされ、ボディサイドやバック、ネック裏は全て塗装が残されたままの状態で使用されました。
50年代のオールマホガニーボディとは異なり、68年製なのでボディトップが2ピースのメイプルなのが剥がされた様子からも分かりますね。
同時期にPUカバーが取り外されています。
またボリュームノブは2つともゴールドのメタルトップノブに交換されています。
(時期によってこれ以外のノブがついていた頃もあります。)
ここまでが1番有名な皆さんがご存知の姿です。
その後ミック・ロンソンがソロツアーで使用していた74年にはネックが折れ、ガムテープでぐるぐる巻きにして固定する(!?)などして無茶な使用が続けられますが、徐々に使われなくなり、70年代末にようやくリペアに出されることになります。
ネックは完全に新しいものに差し替えられ、その時にはボディサイド&バックのみならずヘッドの突板も黒ではなく木目のナチュラルの状態で、Gibsonロゴすらもオリジナルでは無い状態でした。
ネックはそれからも再び折れたようで、80年代にはロンソン自らシドニーのハードロックカフェに寄贈しています。
その後は2000年代初頭にアメリカのギターショップのオーナーでありプロギタリストのリック・テデスコ氏が入手し、現在はモナコのコレクターが所有しているそうです。
このギターが世代を超えて大切にされていくことを祈ります。
長くなってしまったのですが、まだまだ紹介したい”剥ぎナチュラル”ギターがあるので次回に続きたいと思います!
今回はこの辺で。