[ニコニコ雑記] 塗装のハゲたギターの話
こんにちは、店長の野呂です。
とうとう11月になり今年も残すところ2ヶ月となりました。
あっという間ですね。
本日11月4日ですが、X-JapanのPATA氏の誕生日です。
おめでとうございます!56歳だそうです!
Xに関しては80年代後半のライブが好きで、動画サイトでよく見ています。
バンドがものすごいエネルギーに満ちていて、まさに”全力”といった感じのパフォーマンスが素晴らしいです。
余談ですが、PATAさんのルックスに関しても、この頃の赤毛の長髪を逆立てたモヒカンヘア&1972年製レスポール・カスタムを構えた姿が一番好きです。笑
そんなPATAさんの愛機として知られているのが1955年製のレスポール。
通称”ハゲ”ですね。
元々はロサンゼルス滞在時にギターテックが購入したものでしたが、とても気に入ってしまったために自身のレス・ポールと交換してもらい、PATAさんの所有機となります。
当初はサブとして使用していましたが、所有の1959年製バースト等をライブなどでは持ち出しづらい現在はメインとして君臨しております。
元の姿はネック裏やボディバックも素人仕事で塗装されたオールゴールドの1955年製レスポールだったようですが、
「もはやナチュラルか?」というほど塗装が剥がされており、見事なハゲっぷりです。
(一説によると綺麗にリフィニッシュしようとして剥がしたが、剥がした状態を気に入ってそのままにしているとのことみたいです。)
ちなみに55年製は本来バーブリッジ&P-90ピックアップですが、チューン・O・マチック&ハムバッカー仕様に改造されたいわゆる”コンバージョン”仕様となっています。
さて、ここからが本題で、
今回は塗装が”ハゲ”ているギターを使用しているギタリストに関するコラムとしたいと思います。笑
まずは皆さん大好きなブルース・ギター・ヒーロー。
店頭でのご試奏でもこの方のフレーズを弾かれる方がたくさんいらっしゃいますね。
現在まで続くチューブスクリマー人気もこの人の影響が大きいのではないでしょうか。
そう、Stevie Ray Vaughan氏の”No.1”です!
力強いピッキングはもちろんのこと、ギターを床に転がす&アームを持って引きずり回すなどの激しいパフォーマンスから塗装は大きく剥がれております。
(そんな激しいパフォーマンスは83年のLive at El Mocamboでご覧いただけます。)
ライブ映像では大量に発汗している様子も確認できますが、塗装の剥がれと関係があるのではないかと個人的には推察しております。
なおキャリアを通じてネックは複数回差し替えられているようです。
続いては日本が誇るロックンロール・レジェンド。
鮎川誠氏(シーナ&ロケッツ)の”1969製 Les Paul Custom”です!
実に40年以上メインギターとして使用されている逸品。
今も現役で使用されています。
現在進行形で年々塗装がなくなっていっており、
特に金属パーツ&プラパーツは他のギターではなかなか見たことがないほどの溶け具合を見せております。
ギターマガジンを刊行しているリットーミュージック社の“ギブソン・レスポール・カスタム・プレイヤーズ・ブック”によると、
「すでに楽器として引退を宣告されてもおかしくない状態」とのこと。
こちらの本で大きく取り上げられてますが、写真で見てもエイジド加工では到達することができない圧倒的な風格が感じられます。
お次は私が大好きなセッション・ギタリスト。
松江潤氏の”1969年製 Stratocaster”です。
YUKI、Puffy、大塚愛、スネオヘアー、カーネーション、メレンゲ、Kinki Kidsなどのレコーディング/ツアーサポートをマルチにこなすギタリストです。
この1969年製 Stratocaster は Plexi Marshall とともに私の青春を彩った1本。
中学生の頃に見たYUKIのライブ映像で、爆音ロックギターを炸裂させている姿を知って以来のファンです。
一説によるとスタジアム規模のライブではプレキシをフルアップでセッティングしているらしく、
「マーシャル&ストラト」の最高の音色を楽しませていただいてます。
また、あらゆる曲でリアピックアップを多用する点も特徴的。
一般的にイメージされるサポートミュージシャンのイメージを覆すような音色や派手なステージパフォーマンスは必見です。
ちなみにかつてはもっと塗装が残っていましたが、時を経て現在はSRVのNo.1と同程度まで塗装が剥げてきています。
そして最後は、アイルランドが誇るギター・ヒーロー。
Rory Gallagher氏の”1961年製 Stratocaster”です!!
故意に剥がされた訳ではなくこれほどまでに塗装が剥がれたギターは他にないのではないでしょうか。
かなり強い酸性の汗により溶けていった説とともに、
ダブリンの公園で雨ざらしにされたとのことでこのような姿に。
(66年はまだ比較的塗装が残っている写真も確認できます。)
Fender Custom Shopで忠実に復刻されておりますが、やはりほとんど塗装がない状態です。
いかがでしたでしょうか。
1本のギターを使い込むことで塗装が剥げていった姿は、その楽器にしかない貫禄があってかっこいいですよね。
昨今のHeavy Relic人気は、こういったギタリスト等の愛機への憧れからではないでしょうか。
当店にも多数のHeavy Relicギターを取り揃えておりますので、是非お気に入りの1本を見つけにいらっしゃってください!
余談ですが、テレキャスターで破茶滅茶に塗装が剥がれたものを使用しているミュージシャンは思いつきませんでした。
Andy Summers氏のもなかなかですが、上記のギタリストほど広範囲な塗装剥がれではないように思いますし…。
もしご存知でしたら教えてください!
今回はこの辺で。