[ニコニコ雑記] 変わり種フェンダー 〜La Cabronita Especial〜

こんにちは、店長の野呂です。

この1〜2週間ですっかり寒くなりましたね。
個人的には大好きなおでんや豚汁が楽しみな季節になって嬉しいです。
温かい食べ物を美味しく味わい、身体を冷さぬよう気をつけて生活して参りたいです。

さて、本日は珍しいタイプのギターを入荷しましたので、紹介したいと思います。

じゃん!!こちらです!!

テレキャスターボディとグレッチスタイルのピックアップを組みあせわた
”La Cabronita Especial Telecaster 2PU Relic”モデルです!!

このギターの歴史は比較的浅く、2009年にカスタムショップからオーダーモデルとして初めて登場しました。
その後はメキシコのエセンナダ工場でも生産されていたことがありましたが、
なかなか流通数の少ない希少なモデルです。

この名前の“カブロニータ”というのは、
スペイン語のスラングで“小悪魔”“やんちゃな奴”といった意味合いのようです。

まず注目したいのは、このギターの1番の特徴であるピックアップでしょう。

Gretsch社に特徴的なフィルタートロン・タイプ
TV Jones製 “Power’Tron”が採用されています。

TV Jones製のフィルタートロン・タイプにはいくつかバリエーションがありますが、
“Power’Tron”はその中では比較的出力が強めのモデルです。

ただしフィルタートロン・タイプはハムバッカータイプではございますが、
そもそもが一般的なGibson社製のハムバッカーと比べてコイルの巻数は少なく出力が控えめです。

実際に“Power’Tron”の抵抗値を見てみましょう。

リア:7.8kΩ
フロント:5.0kΩ

出力が強めのモデルでもハムバッカーとしてはかなり控えめな出力であることがわかります。
普通のシングルコイルのテレキャスターのピックアップと大きく変わらない程度の数字ですね。

普段、オーソドッグスなテレキャスターを使うことが多い私ですが、
持ち替えた時も出力的なバランスに関して全く違和感なくプレイできるのではないかと思いました。

コントロールはシンプルな1ボリューム&ピックアップセレクター。
トーンノブはないのですが、ボリュームノブに“S1 スイッチ”が搭載されており、
これが“プリセットトーン”として機能します。

音色に関しても、総じてテレキャスターらしさを感じることができる“クリスピーなサウンド”です。
それでいてリアは一般的なテレキャスターよりも若干ミドルに厚みを感じるので、
その辺りはハムバッカーらしさも同時に感じる面白いバランスです。

そして特筆すべき点が、歪ませた時の音色です。
グレッチらしい“ジャリ”っと暴れる感じの、粒が粗く煌びやかなサウンドが心地よいです。
まさに“やんちゃ”といったところでしょうか。

ここから更にルックスや細かなスペックについて見ていきましょう。

ネックのグリップはしっかりとした握りの”Large C”シェイプ
スラブボードが採用されている頃のフェンダーは薄めのすっきりとしたグリップであることが多いですが、
このような厚めのグリップは珍しいですね。

「厚めのローズ指板を探している!」
という声を店頭でよくお聞きいたしますので、そんな方にもおすすめです!

ストリングスガイドが丸型なのも、個人的にはルックス的に好きなポイントです。

木取りは柾目となっており、カスタムショップ・グレードの良質な材が使用されています。
ホワイト・パール・ボタンのスパーゼル・ペグが可愛らしいです。

ボディのレリック加工された”ソニック・ブルー・フィニッシュ”はかなり絶妙な色合いで仕上げられており、
トップのラッカー・クリア層が経年でムラっぽく黄ばんだ色味が見事に再現されています。

他にもウェザーチェックや打痕、金属パーツのくすみなどが、
ポップなカラーリングながらも渋さや貫禄を十分に感じるルックスに寄与しています。

ボディには塗り潰しのカラーとしては珍しくアッシュが使用されており、
3.28kgと軽量な点も魅力的です。

そしてバックのエンドピンの側にはにはさりげなく“La Cabronita Especial”のプリントが!

ちなみに余談ではありますが、下の写真のようにバリエーションモデルでジャズマスターシェイプを反転させたようなカブロニータも存在します。

「他人とは違った仕様のギターを探している」
「すでにテレキャスターをお使いでバリエーションを求めている」
そんな方々には特におすすめのギターです!

店頭ではもちろんご試奏いただけますので、奮ってご検討くださいませ!

今回はこの辺で。

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