[ニコニコ雑記] 変則テレキャスター 〜La Cabronita Especial Telecaster〜

こんにちは、店長の野呂です。

もう10月下旬へ差し掛かっているにも関わらず、まだまだ日中は25℃を超える日が続いていますね。
平年より気温の高い状態が11月上旬にかけて続く見込みとのことで、今年は短い秋になりそうです。

さて、本日は珍しいタイプのFenderCS製ギターを入荷しましたので、紹介いたします。

こちら!
テレキャスターボディとグレッチスタイルのピックアップを組みあせわた”La Cabronita Especial Telecaster 2PU Relic”モデルです!!

このギターの歴史は比較的浅く、2009年にカスタムショップからオーダーモデルとして初めて登場しました。
なので本器は初年度製造ということになります。

その後はメキシコのエセンナダ工場での廉価版の生産や、カスタムショップ製でも時折Limited Editionとして生産されることがありましたが、なかなか流通数の少ないモデルです。
(最近ではSquier製ParanormalシリーズのCabronitaが市場に流通していますが、P-90タイプPU、そしてバリトンギターサイズとかなり尖ったスペックです。)

ちなみに、この名前の“カブロニータ”というのは、スペイン語のスラングで“小悪魔”、“やんちゃな奴”といった意味合いのようです。

まず注目したいのは、このギターの1番の特徴であるピックアップでしょう。

Gretsch社に特徴的なフィルタートロン・タイプ、TV Jones製 “Power’Tron”が採用されています。

TV Jones製のフィルタートロン・タイプにはいくつかバリエーションがありますが、“Power’Tron”はその中では比較的出力が強めのモデルです。
とはいえ、フィルタートロン・タイプは一般的なGibson社製のハムバッカーと比べてコイルの巻数が元々少ないこともあり、ハムバッカーとしては出力自体は控えめとなっています。

実際に“Power’Tron”の抵抗値を見てみましょう。

リア:7.8kΩ
フロント:5.0kΩ


一般的なシングルコイルのテレキャスターのピックアップと大きく変わらない程度です。なんならフロントは音量バランスに考慮してか通常のフェンダー系シングルコイルと比較しても低い出力です。
(フィルタートロンは基本的に高さ調整ができないので、このようにフロントとリアで大きな出力差を設けてあるものと考えられます。)

コントロールは非常にシンプルな1ボリューム&ピックアップセレクター。
トーンノブはないのですが、ボリュームノブに“S1 スイッチ”が搭載されており、これが“プリセットトーン”として機能します。

音色に関しても、総じてテレキャスターらしさを感じることができる“クリスピーなサウンド”です。
それでいてリアは一般的なテレキャスターよりも若干ミドルに厚みを感じるので、その辺りはハムバッカーらしさも同時に感じる面白いバランスです。

そして特筆すべき点が、歪ませた時の音色です。
グレッチらしい“ジャリ”っと暴れる感じの、粒が粗く煌びやかなサウンドが心地よいです。
まさにその名前通り、“やんちゃ”といったところでしょうか。

ここから更にルックスや細かなスペックについて見ていきましょう。

ネックのグリップは”Large C”シェイプ。
メイプル1ピースネックらしいしっかりとした握りです。
ストリングスガイドが丸型なのも、初期のブラックガード風で個人的に好きなポイントです。

木取りは柾目となっており、カスタムショップ・グレードの良質な材が使用されています。
ホワイト・パール・ボタンのスパーゼル・ペグが可愛らしいですね。

ボディにはレリック加工により、細かなウェザーチェックや塗装剥がれが再現されています。
そしてバックのエンドピンの側にはにはさりげなく“La Cabronita Especial”のプリントがあります!

ちなみに余談ではありますが、下の写真のようにバリエーションモデルでジャズマスターシェイプを反転させたようなカブロニータも存在します。

「他人とは違ったFenderギターを探している」
「すでにテレキャスターを使っているが、バリエーションを求めている」
そんな方には特におすすめのギターです!

店頭ではもちろんご試奏いただけますので、奮ってご検討くださいませ!

今回はこの辺で。

Follow me!