[ニコニコ雑記] 多彩なギターアプローチ Jimmy Page ~3大ギタリストへの思い入れPart.3~

こんにちは、店長の野呂です。

3大ギタリスト編の最後は、1966年の6月にヤードバーズへ加入した“ジミー・ペイジ”氏についてです。

ペイジ氏は1944年の1月9日生まれ。
日本の暦ではクラプトン&ベックの一つ上の学年ということになります。

クラプトン脱退後のヤードバーズへの参加を要請されていたペイジでしたが、その時には一度辞退しており、後にベーシストとして加入します。
(驚くべきことにベースを弾いた経験はなかったようです。笑)

広く知られていることではございますが、それ以前には元々セッションマンとして活躍しており、実はThe Whoのデビューシングルの”I Can’t Explain”でリズムギターを弾いていたりします。
また、Velvet Underground & Nicoで知られるニコのプロデュースを行ったりと、多岐にわたって活動していたようです。

そしてすぐさまギタリストに転向することになり、一時期はベック&ペイジのツインギターというなんとも贅沢な編成が楽しめます。
ライブ映像や音源はいくつか二人の共演が残されていますが、スタジオ盤では“Happenings Ten Years Time Ago”でのみ二人の共演が収録されています。
66年という時代性を象徴するかのようなサイケデリックなこの曲ですが、ファジーな音色が随所で曲を盛り立てています。
(しかもベースはジョン・ポール・ジョーンズ!)

そして来る68年、ついにレッド・ツェッペリンが結成されます!
この頃にジミー・ペイジが使用していたギターは、ヤードバーズの頃から引き続き1959年製テレキャスター
私はあらゆるギターの中でテレキャスターが一番好きなギターなので、やはりデビュー当初のサウンドがレッド・ツェッペリンで最も思い入れも強く好きです。

Fender のレプリカモデル “Jimmy Page Dragon Telecaster”

このギターは、58年製後期~59年製の仕様である“トップローダーブリッジ”が特徴的です。
通常ボディバックから裏通しで弦を張るテレキャスターですが、トップロードとすることでテンション感は柔らかくなり、個人的には倍音が暴れるサウンドにシフトするように思います。
しかもゲージは09-42だったようですので、結構ゆるゆるだったのではないでしょうか。

さらに、ヤードバーズの頃から一貫して使用している“Tone Bender MKII”はペイジのサウンドを語る上で欠かせないでしょう。
(一説によると、69年の6月頃まで使用されていたようです。)

68年のインタビューでもこのトーンベンダーに関して言及されており、「サウンドの75%はコレでできている」と本人も語っているほどです。笑
最大の特徴は「やろうと思えば数分持続させることができるサステイン」でしょう。(これも本人の弁です。笑)

私自身も普段、Manlay Soundというブランドの”Super Bender”というペダルを使用しています。
こちらの製品はバイアス調整をできる点が魅力で、ヤードバーズ時代のようなゲートの効いたブチブチとしたサウンドから、Zep初期のような豊かなサステインとフィードバックが得られるサウンドまでコントロールができます。
テレキャスターのリアで手元のトーンを適宜絞って使用すると似た感じになるのではないかと個人的には考えています。

また、上述のテレキャスターとトーンベンダー、そしてワウを使用した1969年5月17日のデンマークでのライブが某動画サイトなどで閲覧可能ですが、“Dazed and Confused”ではヴァイオリンの弓を使用したボウイング奏法がご覧いただけます。
その他、“Kashmir”での“DADGADチューニング”“Moby Dick”での“ドロップDチューニング”、スチールギターで多用されている“オープンC6チューニング”など、様々な変則チューニングを使いこなすことでも知られていますね。
このような様々なアプローチでエレキギターの可能性を広げた点については、80年代以降のオルタナティブ系バンドへの影響も大きいのではないでしょうか。

さて、有名なレスポールやダブルネックなどについては言及しきれませんでしたので、そちらはまたの機会に!

今回はこの辺で。

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