[ニコニコ雑記] 鈴木茂ストラトキャスター入荷

こんにちは、店長の野呂です。

今回は私の敬愛するギタリストの一人、”鈴木茂”氏のシグネチャーモデルのストラトが入荷いたしましたので、紹介させていただきます。

Fender Custom Shop 2021 Shigeru Suzuki 1962 Stratocaster Journeyman Relic (Fiesta Red over Desert Sand)

鈴木茂氏が50年以上に渡って愛用するフィエスタレッドの1962年製ストラトキャスターを元にしたシグネチャーモデルとなっています。

以前のPhaserを使用した名盤に関して記したブログでも取り上げましたが、アルバム「BAND WAGON」のレコーディング前年の1973年頃にロサンゼルスで購入して以来、「BAND WAGON」のレコーディングを含めライブやレコーディングで長年使われ続けている言わずと知れた名器ですね。

ご本人曰く、「僕の音楽そのものと言ってもいい存在」ということで、特別な愛着や思い入れがあることが伝わってきます。

それでは、特徴を一つずつ見てまいりましょう。

鈴木茂氏所有のオリジナル器と同じく、塗装はデザートサンドを下地としたフィエスタレッドとなっております。

オリジナル器はすでに歴戦の傷跡が多く刻まれ、塗装剥がれが多数ある貫禄のルックスをしておりますが、本器の仕上げは控えめなジャーニーマン・レリックを採用しています。
このシグネチャーモデルを手にした方に長年使い込んでいただき、それぞれ自分らしい傷が付いていく方がよいのではないかという鈴木茂氏の思いから、あえてそのような選択となっているとのことです。

また、アーティストモデルではヘッド裏や正面・ジョイントプレートなどにアーティストのサインやロゴのデザインがあるケースも多くありますが、このモデルでは特にそのような点がありません。
一見すると、通常のリイシューモデルのようなルックスです。
もしかするとファンであるかどうかに関わらず、より多くの人に手に取って欲しいという願いが込めらているのかもしれませんね。
アーティストモデルと一見して周囲にわかってしまうと、持ってる時に少し気恥ずかしいというファンの方にも配慮された仕様と言えます。

唯一の外観上の特徴が、このディスク型のストリングガイドです。
これは創設者レオ・フェンダー在籍時よりメイン工場で使用されているオリジナルの機械によって成型したパーツということです。

外観では分かりにくい特徴的な点が、ネックシェイプです。
写真の光の筋の入り方で少しは伝わると良いのですが、細めの独特な”Vシェイプ”となっています。
そしてネック裏は塗装の剥がれたヘヴィーレリック仕上げが採用されています。

実は鈴木茂氏が元の楽器を手に入れた時にはかなり太めのネックだったようですが、ライヴで使いづらいと感じながら何年も悩み続けた末、ある時期にやむなくリシェイプを施したとのことです。

この本人によって削り直された特別なシェイプが、マスタービルダーのジェイソン・スミスによりプロファイルされたデータに基づいて実器に忠実に再現されています。

続いて内部を見てまいりましょう。

PUは少し出力の強いハンドワウンドの”FAT 60’S STRAT”を採用しています。
直流抵抗値は実測値でフロント6.40 kΩ、センター6.41 kΩ、リア6.43 kΩです。

少しメローな音色を狙って、本人実器と同じようにトーンサーキットにはスプラグ社のヴィンテージのバンブルビーキャパシターを採用。
更に通常ストラトに使用されるような250 kΩではなく500 kΩのポットを搭載することで、エッジと暖かみのバランスを考慮しています。
ちなみに、センターとリアのトーンコントロールが共用になっていますので、リアトーンも使用可能です。

ボディ重量は3.43 kg。どうやら本人実器の重量バランスと近くなるように材を選定しているようで、持った時の印象がとても似ているとご本人も仰っていました。

こだわりの一品を、是非ご体感ください!

今回はこの辺で。

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