[ニコニコ雑記] 高い完成度のジャズマスター
こんにちは、店長の野呂です。
2012年に従来のFender American Vintageシリーズをブラッシュアップし、ラインナップも一新して登場した”New American Vintage”シリーズ。
USAレギュラーラインのフラッグシップとして長年に渡ってFenderを牽引してきたモデルをリニューアルするということで当時フェンダー社もとても力を入れており、それまでのAmerican Vintageシリーズの生産工程のすべてを見直すという大幅なアップデートが行われました。
実際にその出来栄えは当時からとても評価が高く、ディスコンとなった現在でも中古市場で大変人気のあるシリーズとなっています。
今回はそんな”New American Vintage”より、ジャズマスターを入荷いたしましたので紹介いたします。
こちら!
2014年製 New American Vintage 1965 Jazzmaster (Fire Mist Silver) です。
旧American Vintageシリーズでは’62年モデルがカタログモデルとなっていましたが、新モデルでは復刻年も’65年に変更になりました。
ネックバインディング&パーロイドドットポジションマーク、トランジションロゴ、ウィッチハットノブなど、’65年当時の仕様が忠実に再現されています。
塗装は”New Fender Flash Coat Lacquer”仕上げで、従来モデルと比較してもより薄く仕上げられています。
本器のカラーリング”Fire Mist Silver”は2014年に数量限定カラーとして生産されたもので、実際に中古市場でも見かける機会も少ない印象です。
少し青みがかった絶妙な色合いですね、マッチングヘッドとの相性もグッドです。
(’13〜’14年のカタログカラーは3 Color Sunburst、Aztec Gold、Olympic Whiteとなっていました。)
ピックアップは当時新開発されたNew American Vintage ’65 Jazzmaster PU。
当時の仕様にならってグレイボビン、Alnico Vマグネット、白黒のクロスワイヤーが使用されています。
New American Vintageシリーズではストラトやテレキャスターも復刻年に合わせた仕様のピックアップをモデル毎に新開発しており、このことからも力の入れようが伺えます。
実際に、この時に新開発された新PUは当時のカスタムショップ製品に採用されているケースも多くありました。
コンデンサもモデル毎に当時の仕様に合わせたものが採用されており、レッドダイムスタイルのセラミックコンデンサが採用されています。
ジャズマスター/ジャガー、といえばこの”フローティング・トレモロ”ですよね。
ストラトのような激しい音程変化は得られませんが、非常に滑らかで心地よいビブラートを簡単に得ることができます。
JG/JMユーザーではないとなかなか馴染みがないかもしれませんが、実はバネの張力などの調整も簡単に行えるようになっています。
内部にはビグスビーのようなバネが仕込まれており、”Fender”ロゴ上部のプラスネジを回してバネの強弱を調整することでアームダウン時の可変域やアーミング時の柔らかさを調整することができます。
また、”トレモロロック”と呼ばれる機構も備わっており、丸ポチをボディエンド側へスライドさせることでアームアップの可動域を制限することが可能です。
(いわゆるアームアップができない、”ベタ付状態”のような調整も可能です。)
このユニットの調整によってアーミングの感触や音程変化の仕方だけでなくサウンドも変化しますので、いろいろ試してみると面白い部分となっています。
個人的にはNew American Vintageシリーズはカスタムショップ製タイムマシーンシリーズのNOSモデルと遜色のないクオリティで、大変高いコストパフォーマンスを誇っていたモデルだったと評価しています。
2018年にはAmerican Originalシリーズへ移行して特定の年の復刻モデルの生産をやめたのは、生産コストの兼ね合いやカスタムショップ製品のプロモーションへの影響があってのことだったかもしれません。
Webには近日掲載予定となっています、是非とも気になる方はこちらよりお問い合わせくださいませ!
今回はこの辺で。