[ニコニコ雑記] 黎明期のストラトキャスター ’67 モデル
こんにちは、店長の野呂です。
長年に渡って不動の人気を誇るフェンダー社のストラトキャスターモデル。
フェンダー以外の他ブランドによるST系モデルも含めると、この形のギターがダントツで歴史上最も多く生産されているエレキギターのモデルではないでしょうか。
そんな大人気のストラトキャスターですが、不人気だった時期もあり、特に1967年製に関しては歴史上最も生産本数の少なかった一年と言われています。
そこからジミ・ヘンドリックスをはじめとして、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックなどの影響もあって現在まで続く大人気モデルの地位を確立するに至るのは皆様もご存知の通りです。
そんなオリジナルでは極端に生産数が少なく珍しい1967年製の復刻モデルが近年はカスタムショップ製から登場しており、スペックもなかなか面白いので今回紹介させていただきます。
こちら、Fender Custom Shop 2021 1967 Stratocaster Heavy Relic (Aged Vintage White) です!
ド迫力のヘヴィーレリック仕上げでインパクトのあるルックスです。
かつてはカスタムショップからまとまった数の1967年モデルが生産がされる機会はなく、ごく少数のオーダーモデルのみが存在している状況でした。
2016年に限定モデルとして一度まとまった数の生産がされましたが、その後はまたしばらく生産されることはありませんでした。
その後、2021年になって2016年製に近いスペックで再び生産されたのが本器となっています。
まず一番の特徴は、”ラージヘッド”&”トランジションロゴ”の組み合わせです。
68年以降はロゴが黒い太字の”CBSロゴ”へ変更になるため、ラージヘッド&トランジションロゴの組み合わせは’66〜’67年に限定的な仕様となっています。
また、写真ではわかりにくいのですが、ネックの塗装もその後の’69モデルや70年代のモデルとは異なるラッカー塗装となっている点も見逃せません。
(68年の途中からネックの塗装がポリエステル系塗料になる史実に倣って、カスタムショップの復刻モデルでも同様の仕様が踏襲されています。)
ラージヘッドのモデルを探すと多くの場合ネックがポリ塗装となっておりましたが、ラージヘッドにラッカーネックも選べるようにバリエーションが増えたのは喜ばしいですね。
そしてこのモデルで最も風変わりな面白い点が、ピックアップのモデルのチョイスとなっています。
搭載されているピックアップは全てハンドワウンドで、モデル名と実測の抵抗値は以下の通りです。
リア:Texas Special、6.26 kΩ
センター:Fat 60s、5.99 kΩ
フロント:’69、5.21 kΩ
通常はモデルのコンセプトに合わせてどのモデルのピックアップが搭載されるかが選択されますので、ポジションごとにバラバラのモデルのPUが選択されることは非常に珍しいです。
史実に倣うのであればいずれもグレイボビンのPUが選択される場面ですが、グレイとブラックのボビンが入り混じっている点も大胆なチョイスとなっています。
PUポジション毎の印象としては、透明感とハリのあるフロント、太さと甘さを兼ね備えた厚めのトーンのセンター、パワフルでラウドに暴れるサウンドのリアと、各ポジションでかなり異なるキャラクターを感じられる点が面白いです。
異なるモデルであっても出力・音量バランスも整っており、全く違和感はなく、想像以上に扱いやすいバランスです。
現在BLKカラーの21年製の在庫もございますので、是非とも店頭にてお試しくださいませ!
今回はこの辺で。