[ニコニコ雑記] Clapton is God ~3大ギタリストへの思い入れPart.1~
こんにちは、店長の野呂です。
これまでブリティッシュ・ロック好きとしてThe WhoやThe Clashをはじめ、ブリティッシュなアーティストをBlogで取り上げてきました。
しかしながら、英国を代表するあのギタリスト達には触れずにいました。
・Eric Clapton
・Jeff Beck
・Jimmy Page
日本で言うところの「3大ギタリスト」です。
みな由緒正しき英国人であり、楽器屋店員としては日々特にお世話になっている方々です。
この3人の名を冠したトリビュートモデルやシグネチャーモデルは世界中で人気が高く、ことGibson製Signed & Agedモデル等のプレミア度は他のギタリストの追随を許さないほど圧倒的です。
なので今回からこの3人へのリスペクトを込め、私の個人的な思い入れを聞いていただきつつ、簡単に当時の機材なども振り返りたいと思います。
ヤードバーズへの加入順に辿っていこうと思いますので、今回は”エリック・クラプトン”編になります。
クラプトン氏は1945年3月30日生まれで、今月末77歳を迎えられます。
新曲を発表したりライブをしたり、今なお精力的に活動していることには驚きと感謝、そして脱帽の思いです。
ヤードバーズに加入したのは1963年の10月、18歳の時です。
クラプトン自身はあまり好きではなかった曲みたいですが、皮肉にも大ヒットしてしまった”For Your Love”がクラプトン期ヤードバーズの代表曲となっています。
このころクラプトンが使用していたのはFiesta RedのテレキャスターとVox製AC30。
(ダブルカッタウェイのGretsch 6120の使用も確認できます。Fiesta Redのテレを抱えているカラーの写真も残っていますので、気になる方は検索してみてください。短髪であどけなさが残るクラプトンの姿が新鮮です。)
ここで使用機材について一つ付け加えるとするならば、クラプトンは”Yardbirds期に唯一Tone Benderを使っていない”ギタリストという点です。
年代的にまだTone Benderが登場していなかったからというのもありますが、楽曲も相まって意外と1番正統派ブリティッシュポップサウンドが楽しめます。
1965年にヤードバーズを離れ、このテレキャスターとAC30は手放されることとなります。
代わって登場したのがみなさんご存知の”1960 Les Paul Beano”と”Marshall 1962 Blues Breaker”です。
そしてこのギターをひっさげ”John Mayall & The Bluesbreakers”に加入し、“レスポール+マーシャルの黄金比”を世に送り出したことはあまりにも有名です。
この”Beano”の復刻モデルは当店にも在庫していたことがあります。(上の写真)
実機も画像を見ると結構淡い色味で杢も控えめなため、レプリカでも上品で落ち着いた印象に仕上がっています。
ペグがGroverでかなり薄いネックグリップなのが主な特徴となっています。
さて、先ほど”レスポール+マーシャルの黄金比”と書きましたが、ブリティッシュ・サウンドの重要な要素となるもう1つの機材も忘れてはなりません。
この二つの仲を取り持ったのが有名なトレブル・ブースターの”Dallas Rangemaster”です。
(クラプトン以降、ロリー・ギャラガー、ゲイリー・ムーア、トニー・アイオミ、リッチー・ブラックモア、ブライアン・メイなど、様々なレジェンド・ギタリスト達が同一回路のものを使用しています。)
いくら倍音やプレゼンスが出るバーストを繋いだとしても、当時のMarshallアンプは非常にブーミーかつゲインが低いアンプです。
そこで登場するのがRangemaster、ハイ~ミッドのゲインを上げつつも、低音域はそのままアンプのサウンドを活かすことで芯もキレもあるドライブサウンドを作っていたわけです。
さてさて、このペースで行くとクラプトンの個人的なフェイバリッドアルバムまでたどり着けなさそうなので、25年ほどジャンプさせていただきます。笑
(クラプトンがブラウニー、ブラッキーを使用していた頃の話はまたの機会に。)
1991年、私の大好きなアルバムの1つ“Live in Japan”がリリースされます。
「George Harrisonのアルバムでは?」という声も聞こえてきますが、クラプトンと当時のクラプトンバンドが大活躍しているアルバムです。
Lace Sensorを搭載した自身のシグネチャーモデルを抱え、一歩引いた位置でサポートに徹しているクラプトンですが、ここぞのギターソロはクラプトン史上でも上位に入る破壊力だと個人的には思っています。
ジョージと一緒にステージに立つということで、普段以上にやる気に満ちていたのではないかと推察しています。
特に好きなのは”Taxman”のソロ。
ゆったりめなタイム感で余裕が感じられる歌心満載のプレイが魅力の1つであるクラプトンですが、この曲ではかなりのスピード感で突っ込んでいくスリリングなプレイが楽しめます。
他にもスライドギターでの的確過ぎるオブリなど、とにかく聴きどころ満載です。
この3年後に登場するのがもう一つのフェイバリット“From The Cradle”です。
全曲がブルースのカバーとなるまさにクラプトンの原点回帰アルバム。
ほとんどの曲が一発録りで制作されており、緊張感・気迫・ブルースへの愛が感じられる点がとても好きです。
この頃のギターのチョイスは”Gibson回帰”が非常に強く、ライブ映像やジャケットも含めるとES-125、ES-335、L-5など、ホロウボディギターも多く見られます。
またTweedアンプへの愛がとても強く感じられるようになってきたのも、これくらいの時期ではないでしょうか。
まさにエレキギター創世記のスタイルを現代に持ってきたようです。
さていかがだったでしょうか。
2000年代に入れず、Fenderのシグネチャーモデルや製作していたビルダーの変遷などに触れられなかったので、こちらも機会があればいつか取り上げるかもしれません。
今回はこの辺で。