[ニコニコ雑記] ES-335のセンターブロック
こんにちは、店長の野呂です。
昨日よりHPに掲載を開始した新着の楽器を紹介させていただきます。
こちら!
“Gibson Custom Shop 2021 Murphy Lab 1964 ES-335 Ultra Light Aged (Sixties Cherry)” です!
1964年製モデルということで、ショート・ピックガード、ブロックポジションマーク、ナイロン製ブリッジ、2コブのクルーソンペグ、アイボリーのトグルスイッチチップといったこの年代の特徴的なスペックがしっかりと復刻されています。
写真では少々わかりにくいかもしれませんが、カッタウェイの形状に関してもややスリムな1964年仕様のホーンが再現されています。
重量もなんと”3.41 kg”とES-335モデルとして非常に軽量です。
さて、ここから本日の本題です。
様々な年式の復刻モデルが生産されているES-335モデル。
ドットポジションマーク(’58〜’61)とブロックポジションマーク(’62以降)のモデルを比較すると、外観からわかること以外の部分にも大きな違いが存在します。
そう、実は中身もポジションマークに移行するタイミングと同時期に大きく変わっているのです。
リアPU下のセンターブロックを見てみましょう。
写真を見比べてみると、(左)のものはキャビティとfホールが1本のドリル穴で繋がれているのがわかります。
これが、’62年頃になると徐々に(右)のタイプの割合が増えていきます。
そして’64年頃には、ほとんどの個体が(右)のようにセンターブロックの一部が「コ」の字型にくり抜かれたボディ内部構造へと変わります。
この(右)のタイプは従来バリトーンスイッチを搭載するES-345やES-355の仕様でしたが、生産効率を高めるために共用のボディが使われるようになったという訳ですね。
また、ポットにキャビティ側からアクセスできる点もワイヤリング作業の効率アップに繋がったことでしょう。
ここで気になるのが、写真(右)と(左)のサウンドの違いです。
一般的に、(左)のタイプの年式の個体の方がソリッド感が強く感じられ、(右)のタイプの個体の方がホロウ感を強く感じられると言われています。
これに関しては、見たまんまですね。
ちなみに現行のUSAレギュラー製品は(右)の仕様、65年以降ではこの空洞が大きくなり、70年代前半には左右のfホールが繋がった構造となります。
ただし、ネックシェイプやサドルの材質、個体重量なんかももちろん音に影響を及ぼす部分ですので、ギターを選ぶ際にはいろいろ弾き比べた上で総合的に判断していただくのがよろしいでしょう。
当店には、多様なES-335のラインナップがございますので、是非とも店頭にて見比べて弾き比べてみてください!
今回はこの辺で。