[ニコニコ雑記] Gibson Custom Shop Jimi Hendrix Psychedelic Flying V 入荷!
こんにちは、店長の野呂です。
個人的に大好きなモデルが入荷しましたので、
興奮と熱量を皆様と共有したく書かせていただきます。笑
Jimi Hendrix Psychedelic Flying Vです!!
1度見たら忘れないこのルックスですが、この楽器が復刻されるまでにはなかなかなストーリーがありました。
このVはジミが1967~68年にかけてのヨーロッパツアーで使用していた楽器で、67年のBBC Radio 1セッションなどでプレイされていたとされています。
数少ないながら映像も一応あり、フランスのTV番組Dim Dam Domに出演した際はこのVを手にHey Joeを演奏する姿が確認できます。(残念ながら当て振りなのですが…)
その後1969年にジミがプロデュースを手がけた北アイルランドのサイケバンド、”Eire Apparent”のMick Coxにプレゼント。
しかし悲しいことにMickはそのサイケペイントを剥がしてしまい、ただの黒にリフィニッシュ、その後1973年に経済的な問題からこのギターは売りに出されてしまいました。
それから20年以上が経過した1990年代のこと…
イギリスの楽器店オーナーがリフィニッシュされた67年製のフライングVを発見しました。
厚ぼったく塗られた黒い塗装、左利き用のナットに、増設されたストラップピン…
それに運命を感じたのがイギリスのセッションギタリスト、David Brewis氏。
なんとジミの夢を見た直後だったとのことでした。
そして彼はこのギターを手に入れレストアすることを決意。
まずはこのギターの元の姿を確認できる画像を、当時の写真撮影家のJean-Pierre Leloirから入手。
透明なアセテートシートにペイントを再現し、テンプレート的なものを製作しました。
そしてギターのレストア職人Clive Brownが上にのった黒い塗装を剥がすと、ジミが施したであろうペイントの跡も確認できたそうです。
ついにレストアも完了し、数年経った2003年。
このVは海を渡りサンディエゴのギターコレクター/ディーラーの元へ旅立ちました。
元のインタビューページに”No cup of tea”とある通り、その取引はかなりサクッと終わったようです…。笑
3年後の2006年、Gibson Custom Shopがレプリカの製作を決定。
Edwin Wilson氏がオリジナルをレストアしたDavid氏たちの協力のもと、晴れてInspired by SeriesよりJimi Hendrix Flying Vが発売されたのです。
認定書には透明なテンプレシートのようなものが確認できますが、David氏も同じようなテンプレを作っていたのか…と思うだけで胸が熱いですね。
ぜひ実物を手に取りその思いを感じていただけたらと思います。
近日中にはWebに掲載予定となっておりますのでお楽しみに!
今回はこの辺で。