[ニコニコ雑記] Mike Bloomfieldの日

こんにちは、店長の野呂です。

昨日7月28日は、ホワイトブルースマン代表“Michael Bloomfield”の誕生日でした!

キース・リチャーズと同い年の1943年生まれなので、もし生きていたら今年で79歳になります。

個人的には大定番ながらボブ・ディランの65年の5作目のアルバム「Highway 61 Revisited」での演奏が好きなのですが、今回は演奏ではなく彼が使用した楽器のお話です。

ブルームフィールド氏の使用していた楽器で最も有名と言えるのは、やはりGibsonから復刻もされている“1959年製 Les Paul Standard”ではないでしょうか。

今回はその実機のストーリーです。

このバーストがブルームフィールド氏の元にやってきたのは1966年のこと。

Albert King氏のLucyを製作したことで有名なDan Erlewine氏から、当時所有していたゴールドトップ+$100の現金とのトレードで手に入れました。

ご存知の通り、以降はメインギターとして数々の名演を残してきました。

しかし1974年。

ブルームフィールド氏はクラブでの5日間公演の予定を初日のみ参加し、残りを勝手にキャンセル。

結果クラブはキャンセル分の慰謝料を払うまで楽器を返さないと主張し、支払いを無視したブルームフィールド氏の元にあのレスポールが戻ることはありませんでした。

そして1976年。

クラブ側はこの楽器を売り払うことを決め、サンフランシスコのカバーバンドでギターを弾いていたChris Okey氏の手に渡ります。

この時のお値段は$980。

インタビューを読む限り、この時にはかなりボロボロな状態だったようです。

同1976年にOkey氏はネック裏のリフィニッシュを施します。

またペグをクロームのGroverからニッケルのものへ交換、ロッドカバーも”Les Paul”ロゴ入りのSG用から無地のものへ交換。

そしてピックアップカバーも取り外されるのですが、フロントPUはゼブラ、リアはブラックだったことがわかりました。

ただOkey氏は資金難に陥り、トロントのコレクターKen Goodwin氏に売却。

しかしKen氏も5年ほどでシカゴのコレクターColin Petroff氏に譲ってしまいます。

80年代のことですが、この時点では$5000ドルほどだったようです。

その後はそのバーストの情報が世に出ることは一切ありませんでしたが、2011年ごろにVintage Guitar Magazin誌で所在を訪ねたいとの記事が上がります。

2014年にブルームフィールドから楽器を買い取ったOkey氏とのコンタクトにたどり着き、結果2016年時点でColin氏の妻がまだ所有しているとのコメントをしていました。

Okey氏経由でコレクターからの高額なオファーもあったようですが商談が成立するには至らず、さらに残念ながら2016年12月にOKey氏はこの世を去ってしまいました。

2022年現在の情報は公開されておりませんが、伝説的なレスポールが楽器としてまだ存在することを祈っています。

最後になりますが、Gibsonにより復刻された2009年頃は実はまだ楽器の所在がわかっていなかった頃です。

Gibson公式の当時の商品説明文を読み返すと、しっかりと所在がわからない旨が記されています。

気になった方は是非もう一度チェックしてみてください。

今回はこの辺で。

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