パーロイドのパーツについて ~前編/一般的なパーロイド編~

こんにちは。
今回はタイトルの通りパーロイドのパーツについて取り上げていきたいと思います。


Fender 1973 Mustang (Sunburst)


Fender Japan 2008 MG65 (Dakota Red)

楽器に使われるパーロイドと言えば… 最初に思い浮かぶのはピックガードですかね。
現在もリイシューモデルなどで流通のあるムスタングなどに採用されていることが多く、見慣れている方も多いのではないでしょうか。
パーロイドと言えばやはり「ヤケ」ですよね。せっかく真っ白でキラキラしているのに黄ばんで台無し…。というのは楽器に於ける「白」の宿命なのでは、と思います。
上に取り上げた73年製、サンバーストのムスタングのパーロイド・ガードは比較的ヤケが少なく、経年で若干色が暗くなっているのみです。この暗くなった変化が個人的にはたまりません。キラキラを通り越してギラギラしています。ボディはサンバーストなのにこのギラギラで一見するとかなり派手に見えるのでは、と思います。
話は逸れますが、例えば鼈甲柄のピックガードでは、オリジナルの年代のものの方が立体感があり色も若干暗めで、明るい部分より暗い色の部分で陰影を表現しているように思います。対して現行の鼈甲柄は比較して若干平面的で色が明るく、明るい部分で色の起伏を表現しているように思います。
これと似たような部分がパーロイドのピックガードにもあるように思いまして、杢目に対してパーロイドの”目”とでも言いましょうか、古いパーロイド・ガードの方が”目”がより大きく、また明度の差も大きく「バリッとした」印象を受けます。


Fender 1974 Mustang (Competition Red)

こちらの74年製、コンペティションラインの入ったレッドのムスタングは比較的ガードはヤケている印象を受けますが、やはり”目”と明度の差が大きく派手ですね。


Fender Japan 1993-94 STR-135RK Richie Kotzen Signature (Trans White)

次はペグボタンです。
楽器の説明に「高級感のあるルックス」と記載されているのをよく見かけますが、サイズは小さいながらもむしろこういった細部に意匠を凝らすことによって、全体のルックスの印象が大きく左右されるのでは、と僕は思います。
金属製のパーツにはどちらかと言えば無骨な印象があると思いますが、こういった別の材質が用いられることによって印象が一辺倒ではなくなりますね。最近はPRSなどの高級なラインに木材のペグなんかも登場していますが、個人的には煌びやかさではやはりパーロイドが最高だと思います。
取り上げたRichie Kotzen Stratocasterの他に、Fenderにより制作された「John Mayer “Black.1″」や「Stevie Ray Vaughan ”No.1″」、それを基にオーダーされたモデルなどで見ることが出来ますね。


Gretsch Custom Shop 2010 Masterbuilt G6128-CS Duo Jet by Stephen Stern (Black)

次はインレイです。先ほどまで取り上げてきたFenderでも1964−65年頃から採用されていますが、今回は圧倒的に面積の大きいGretschを取り上げました。
指板の材質が弾き心地や音に与える影響は大きいのでは、と個人的には思っているのですが、こういったブロックタイプのインレイの場合、指板材よりもまずインレイの方が影響が大きいのでは?と考えてしまいます。この場合押弦した際に触れるのは木部ではなくインレイ部で、そうなると少なくとも押弦時の感触はインレイに起因するものの方が大きいような気がします…。以前メイプル指板/ブロック・インレイのJaguarを弾いたことがあるのですが、セッティングの差異はあれど、あまりの弾き心地の違いに戦慄した覚えがあります。
もちろん振動などを伝える役割でいえば指板面の材質が違うことも大きな違いを生むとは思うのですが、それでもなお面積の大きなインレイの影響は少なからずあるのではと思います。


Fender Japan 1993-94 STR-135RK Richie Kotzen Signature (Trans White)

また、パーロイドのパーツはその見た目の絢爛さからシグネチャーモデルに採用されることも多いです。
上の写真は先ほどペグの項で取り上げたRichie Kotzen Stratocasterのトップです。パーロイド・ガードとゴールドパーツとの組み合わせがたまりませんね。


Fender Mexico 2015 Road Woan INORAN Jazzmaster (Lake Placid Blue/MH/GH)

こちらは2015年にFender MexicoのRoad Woanシリーズより登場した、LUNA SEAのギタリスト INORAN氏のシグネチャーモデル「INORAN ROAD WORN JAZZMASTER 20th anniv. Edition」です。
このモデルもパーロイド・ガードとゴールドパーツが組み合わせられていて非常に派手で目を引きます。ボディがLake Placid Blueなのが特に良いですね…!


Modulus 2007 FB4 (Silver Flake)

こちらはModulusより登場した、Red Hot Chilipeppersのベーシスト Flea氏のシグネチャーモデル「FB4」です。
シルバー・フレークのフィニッシュにパーロイド・ガードというキラキラかつギラギラの組み合わせです。文句なしで最高のルックスですね。


Gibson Custom Shop 1997 Les Paul Joe Perry Signature (Trans Black)

こちらはGibsonから登場した、Aerosmithのギタリスト Joe Perry氏のシグネチャーモデル「Joe Perry Signature Les Paul」です。
レスポールでパーロイド・ガードだとこんなルックスになるんだな、と新たに発見させてもらいました。ギラッとした杢目の透けたトランス・ブラックフィニッシュにパーロイドのキラキラが映えますね。

思ったよりもかなり取り上げたいことが多く文量が多くなってしまったので、次回は今回取り上げなかった変わり種のパーロイドたちを取り上げたいと思います。
最近僕の中でパーロイドがキテるので、1~2本はピックガードをパーロイドに交換しようかな、と思います。

それでは。

Fender Custom Shop 2018 Custom Order 1969 Stratocaster NOS (Red Sparkle)

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