ヘッドレスギターといえばスタインバーガーですが。。。
こんにちわ、スタッフの斉藤です。
印象に残っているギターを紹介していくシリーズ。
今回はこちら!
Steinberger Klein GK-4T
スティーブ・クラインのボディとスタインバーガーのネックを組み合わせて生産されたモデル。
ヘッドレスギターの元祖として最も認知度の高いと思われるスタインバーガーですが、ボディを生産したクラインはやや知名度が下がるのではないでしょうか?
ということで、今回はKleinについて紹介させていただきます。
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Klein GuitarはSteve Kleinというルシアーにより制作されたもので、元々アコースティックギターの製作者として
著名な人物で、Acoustic Guitar magazineの中では1970年代で最も影響力のあるルシアーの4人として選ばれています。
Steve Miller, Joe Walsh, Andy Summers, Lou Reed and, notably, Joni Mitchellなど、素晴らしいアーティストにも愛用されています。
ジョニミッチェルが‘The Hissing of Summer Lawns’のレコーディング中の自身の持つMartinのギターと直接比べてみてクラインの方を選んだという話も。
そんなアコギで有名だった彼は、長年に渡って人間工学に演奏性を追求したエレキギターの研究をしていたそうで、どうもしっくりこないとデザイン等で悩んでいた頃、Ned Steinbergerと出会いました。
当時Gibsonは自社のデザイナーを影響力のあるルシアーに紹介するということやっていたそうで、その一環で二人は出会います。
スティーブは自身の抱える問題点やアイデアを相談したところ、ネッドは彼のグラファイトヘッドレスネックとハードウェアを提案したそうです。
そうして生まれたのがこのGKシリーズ。
オリジナルプランでは、カリフォルニアのクラインで製作されたGKバスウッドボディをニューバーグのスタインバーガー工房に送って、そこでハードウェアとネックを合わせて組み上げて、スタインバーガーのディーラーにより販売という形をとる予定でした。
ところが、GKが発売されると同時期に、他のSteinbergerモデルの人気があまりにも高まり、工場の生産能力をはるかに上回る需要が生まれたために、この計画は頓挫することになります。
そこで当初の予定とは逆に、クラインがネックとパーツを工場から卸しで購入してから生産するライセンス契約を結ぶことになり、Steinbergerが部品をクラインに送り、クラインが組み立てることに。
ギブソンのGKモデルの販売は1990年代半ばに終了し、その総生産台数は250本程度と言われています。
しかしその後もKleinはライセンス契約時に購入したパーツで、Kleinギターを相当数製作したようです。
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非常にユニークなボディーシェイプですが、座って演奏したときのとんでもないフィット感には驚かされました。
“人間工学に基づいて”などはよく巷では聞きますが、その恩恵を感じさせられたのは初めてでした。
重量のバランス感といい、ネックの位置といい、こんなに弾きやすかったギターは他になかった気がします。
サウンドはEMGピックアップを搭載したステインバーガーと似て、すっきりとした癖のない音の印象でした。
また入荷してその弾き心地を味わいたいものです。
それではまた次回をお楽しみに。