今こそ振り返ろう、伝説のハイエンドエフェクターブランドWay HugeとJeorge Trippsの軌跡
こんにちは、スタッフ高橋です!
年末年始のステイホーム期間はデジマートを見て過ごしていた方も多いのではないでしょうか。
去年はCOVIDの影響により海外ブランド製品の新品入荷が滞っていたこともあり、ギターもエフェクターも国産ブランドが推されることが多かった年の印象です。
そんな中海外からの熱いニュースとなったのがJeorge Tripps氏によるWay HugeとDunlop製限定モデルでした。
そうです、今回のテーマはタイトルにあります通りこのJeorge Tripps氏の軌跡と彼の立ち上げたブランドWay Hugeについて書かせていただこうと思います。
Jeorge氏は元々ギタリストとしてキャリアをスタートし、1991年にLAに移住したのちAndy Brauer Studio Rentalsという機材レンタルスタジオで楽器に携わる仕事を始めます。
その職場で出会ったのがDave Friedman(現Friedman AmplificationのCEO)で、彼と共にヴァン・ヘイレンをはじめとしたビッグネームのラックシステムの制作に携わるようになります。
そして93年までその仕事を全うした後、”フルタイムでペダル製作に没頭したい”との想いから立ち上げたのが伝説のブランドとなるWay Hugeでした。
1999年に彼がLine6社の一員になるまでの6年間しか存在しなかったブランドではありましたが、その中で製作されたペダルは現代のブティックエフェクター達に大きな影響を与え、現在でも(現在だからこそ?)多くのプレイヤーに愛用されております。
Way Hugeの製造をストップした後でもLine6社では”この20年で最も重要なペダルの一つ”と呼ばれるDL4、その後に移籍したDunlopではMXR Carbon Copy Delay、Jimi Hendrix Fuzz Faceや108 Fuzzなど膨大な数の名ペダルの設計を行なってきたことから、いかに彼が設計者として優秀なのかが感じられることでしょう。
Jeorge Trippsが設計するペダルの特徴は大きく分けて二つあり、ディレイやコーラスなどは比較的パーツ点数が多く複雑かつ凝った回路構成で仕上げられる点、もう一つはパーツの点数やモデルに関わらずオーガニックかつウォームなサウンドに仕上げられている部分です。
一つ目のパーツ点数ですが、インタビューなどでBOSSやIbanezなど複雑な構造のペダルに関しても回路起こしをしていたという点からも窺える通り、Aqua-PussやBlue Hippoなどはオリジナル、リイシュー共に複雑ながら洗練されたレイアウトで仕上げられています。
是非お持ちの方は裏蓋を外して、お持ちでない方は画像検索をして見てください。
二つ目のオーガニックかつウォームなサウンドは全てのペダルで感じられ、人工的なサウンドになりがちなファズやディストーションでも温かみがありタッチにもしっかり反応する印象があります。
これはおそらくFuzz Faceをはじめとしたヴィンテージペダルの研究の成果だと高橋的に思います、トラディショナルなファズはアンプに通ずる手元の操作性があるものが多いですからね!
さて、そろそろ実物を紹介させていただこうと思います!
まずはゲルマニウムトランジスターを搭載した60’s Fuzz Faceをモチーフにした”Foot Pig”です。
Toneノブを搭載することでFuzz Faceでもっさりしがちなローを軽減したり、気温や湿度によるゲルマニウムトランジスタの状態変化を補うのにも便利ですね!
非常にオールドスクールなサウンドで、ヴィンテージゲルマファズ同様あまり音の大きくない仕様ですが、Toneを上げていくにつれトレブルとゲインも上がる印象です。
次に紹介するのはオクターブファズ”Purple Platypus”モデル!
Red Llamaをベースにフリーケンシーダブラーを搭載した回路構成となっており、オクターブ音は出つつも比較的ピッキングニュアンスは出しやすいため飛び道具としてのみならず使用できるペダルです。
また1つ目に紹介したFoot PigとこちらのPurple Platypusはリイシューされていないモデルのため、非常に希少なモデルとなっています。
最後に紹介するのは”Saffron Squeeze”コンプレッサー。
ROSS製のコンプレッサーを基に製作されており、ヴィンテージ感のあるキャラクターながらモダンなレンジ感のある非常に使いやすいペダルです。
現行のリイシューモデルではGain、Tone、Attackが装備されておりますが、このオリジナルモデルはその必要を感じさせないほど説得力のあるトーンです!
さて、長文になってしまいましたが…
およそ20年以上前に製作されたにも関わらず古さを感じさせないペダル…Way Hugeの魅力が少しでも伝わっていましたら嬉しく思います。
Jeorge氏や現行のモデルについてもまだまだ紹介したかったのですが…気になった方は是非Way HugeペダルやJeorge氏のインタビュー等もdigしてみてください!
ではまた!