伝説の音を作った張本人? “Bob Bradshaw”と”Dave Friedman”
~その2、システム作家の新星、アンプビルダーへの道~

こんにちは、スタッフ高橋です!

前回のBlogにてエフェクター直列派以外は(直列でもCAEペダル使ってる方は含む)
お世話になっているというBob Bradshawさんについて書きました。

80年代にして現代と変わらぬといっても過言ではないシステムを組み上げた
Bradshawさんは当然のことながら多忙を極めていたわけです。

そんな中L.A.老舗の機材レンタル屋さんから新たなシステム屋さんが名乗りをあげました。

その名はDave Friedman。

デトロイト生まれ、18歳でL.A.に移住、”Andy Brauer Studio Rentals”という
老舗の機材レンタル屋でスタッフを務めておりました。

Andy Brauer StudioといえばSteve LukatherやMichael Landauをはじめ、
L.A.のほとんどのギタリストの機材メンテや保管、レンタルに携わっているスタジオです。

クインシー・ジョーンズやTOTOのツアーの機材チームとして来日したのもAndy氏で、
ビッグネーム揃いの顧客に関わってきたFriedman氏もかなり鍛えられたはず。

Andy氏のレンタル屋は楽器の貸し出しの他に楽器の管理やシステム構築も行うのですが、
当時の専門スタッフが退職しそのポジションに抜擢されたのがFriedman氏でした。

在籍時からその技術力を買われていたFriedman氏はEgnaterや
Budda Ampの設計にも携わることとなるのでした。

ちなみにEgnaterで開発したプリアンプはRocktron名義で発売されることとなります。

その後機材組み込みの部署がAndyのスタジオから分離され別会社となり、
1995年ごろにFriedman氏は独立を決めました。

L.A.を拠点にペダルボードやラックシステムの構築を行い、
Van HalenやSteve Stevens、John ShanksにSteve Vai…

あげればキリがないビッグネームたちと仕事をしておられます、恐るべし。

Bradshaw氏のシステムやコントローラー等は拡張性を意識して製作されている印象を受けるのですが、
Dave氏の組むシステムは自身がプレイヤーでもある影響かシンプルな仕上がりになっている印象です。

配線の取り回しに関しても見えないところにまとめてあることが多く、
見た目はもちろんですが外部からのダメージも少ない構造になっています。

さて、システムの製作を主な業務にしておりましたがここで現在に通じるビジネスを開始します。

アンプの製作です。

前述の通りアンプの設計等に関わっていたDave氏ですが、
自身のイメージするサウンドを求めオリジナルアンプを組み上げることにしたのです。

その名も”Naked Amp”。

“裸”の名前がついている通りトーレックスのない外装にステンシルで入れられた”Naked”の文字、
2ch構成ながらEQ等は共通のシンプルなコントロールが特徴です。

“本来は1chのシンプルなアンプが好き”とのコメントからも分かるように、
なるべくトーンロスがなく扱いやすい良質なアンプを作りたかったのが分かります。

2001年のNAMM賞でお目見えしたそのアンプは非常に評価が高かったものの、
あまり多くの台数が作られることはありませんでした。

システム製作のバックオーダーを大量に抱えていたのでしょうか、
インタビューでも”目標はオーダーに追いつくこと、かなり待たせてる”と語っていました。

余談ですがアンプブランドが”Friedman Amplification”に名を変えてから
“Naked Amp”という2chアンプが作られました。

共通EQの2chアンプというほぼ同じスペックで製作されておりましたが、
こちらもあまり数多くは作られなかったようです。

もう一つ余談ですが、2008年頃Tone Freakから”Naked OD”という
Friedman氏が回路の設計等を行なったオーバードライブペダルが発売しております。

日本のメディアでも取り上げられていましたが当時の文面からはまだFriedmanが
システム会社として紹介されており、まだアンプビルダーとしての知名度の低さが窺えます。

しかしその数年後…

“Friedman Amplification”としてデビュー、
現在ではハイゲインマーシャル系といえば…というほどの知名度となっています。

近年ではアンプシミュレーターにも、Universal Audioをはじめプラグインでも
必ずその名前を見るようになりました。

ギター雑誌の機材レポートでもかなり目にすることが増え、代表機種BE-100やDirty Shirleyはもちろん、
Jake.E.LeeやSteve Stevensのシグネチャー モデルなんかもラインナップされています。

個人的に大注目なのは楽器屋界の大スター”Phil X”シグネチャー モデルです、
シングルチャンネルアンプ好き的にはいつか欲しい1台です。

さて前回から2回にわたりスイッチングシステムとシステムビルダーの辿ってきた道を紹介しました。

実を言うとまだまだBradshawとFriedmanについて書きたいところで…

なんと言っても高橋が愛してやまない“Wet Dry Wet”やら改造マーシャルやら色々あるのです。

機会がありましたらまた書きます、では!

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