定番となったモディファイドスペックについて ~Fender編~
こんにちは。スタッフの鹿毛です。
今回はFenderのアーティストモデル由来のモディファイドスペックについて取り上げていきたいと思います。
僕は「意外なスペック」や「なんでここにこれが…」という楽器に特に惹かれてしまうことが多いです。
さらにもともと好きなアーティストに改造された楽器や変な形の楽器を持っている方が少なくないので、
その影響もありイレギュラーなスペックの楽器に興味が行きがちです。
Fender Custom Shop 2015 Team Built 60’s Stratocaster Heavy Relic (Taos Turquoise/Sunburst)
まずは「パーロイドボタンのペグ」についてです。
Stevie Ray Vaughanの”No.1″やJohn Mayerの”Black.1″に搭載されているペグで、基本形としてはDeluxeチューナーやロックペグがベースになっています。
“62”、”63″ストラトや”Texas Special PU”、ジャンボフレットのモデルによく採用されていて、「絢爛」「ゴージャス」、そして「モダン」といったところに向かってデザインされたように感じられます。
個人的には、それぞれ異なるパーロイドの細かな模様を白飛びさせないように、かつ背景やヘッドとのコントラストや明るさも考える、というところでとてもよく観察して考えた思い入れのあるペグボタンです。
Fender Custom Shop 2014 Masterbuilt Jeff Beck Stratocaster by Todd Krause (Vintage White)
次はWilkinson製ローラーナットです。
これは1991年から発売されているJeff Beckモデルのストラトキャスターに搭載されているイメージの強いパーツですが、実は80年代末に発売されたStrat Plusの方が先にこのパーツを使用しております。
Strat Plusは2点支持のトレモロやLace Sensor Pickup、TBXサーキットなど、Eric ClaptonモデルとJeff Beckモデルの2人のストラトキャスターを組み合わせた様なスペックが特徴的です。
現在、Wilkinson製ローラーナットはJeff BeckストラトではMBSモデルにしか採用されていませんが、Custom Deluxe系のスペックや90~00年代Custom Shop製の”Custom Stratocaster”モデルにも採用されているので是非探してみてください。
ロックペグやブロックサドルと相まって「重厚」で「メタリック」なルックスになり、ヘッドの重さが少し増えるためその分サスティンが伸びるのも利点の1つです。
楽器の撮影をするようになって、以前とは比べ物にならないほど楽器を注視するようになりました。
それにより、こういったシグネチャーモデルからは様々なギタリストやアーティストの拘りの部分を覗き込むことができて、楽器ひとつ取ってもこれだけの情報を取り上げられるようになりました。
これからもっともっと、多くの情報を見聞きして糧にできると思うと非常にワクワクします。
今回取り上げた一見してわかりやすいもの以外でもまだまだモディファイドスペックのモデルはたくさんありますので、続編にもご期待ください。
それでは。
Fender Custom Shop 2015 Team Built 60’s Stratocaster Heavy Relic (Taos Turquoise/Sunburst)