歴代マッカーティモデルのお話。 ~その1~
今回はPRSラインナップの中で最もGibsonへのリスペクトが込められた
McCartyモデルのお話をしようと思います。
まずはモデル名の由来となっているGibsonの元社長の
テッド・マッカーティーさんについて触れようと思います。
マッカーティさんは1909年生まれ、シンシナティ大学を卒業すると
エレクトリックピアノで有名な”ウーリッツァー”に就職します。
1948年まで年にGibsonへ移籍し、1949年には副社長となりました。
1966年までGibsonに在籍したのですが、その間に発売された数々の名作は
マッカーティーさん無くして語れません。
Tune-O-Maticブリッジ、ハムバッカーピックアップ、エクスプローラー、
フライングV、モダーン、SG、ファイヤーバード、…
上記全ての開発責任者はマッカーティーさんでした。
ちなみにレオ・フェンダーさんと同様ギターは弾けなかったそうです。
そこから4半世紀が経った1994年、ギターヲタクのポールさんは
偉大なマッカーティーさんを称えその名を冠したモデルを開発します。
マッカーティーさんをコンサルタントとして招き、アドバイスを受けることで
ビンテージレスポールのテイストを取り込んで行ったのです。
PRSは通常25インチスケールが採用されておりますが
McCartyはGibson同様の24.5インチスケールとなっています。
ヘッド厚は約1/32インチ薄く、ボディーバックのマホガニー材は1/8インチ厚い設計で、
ボディトップには50’s Gibsonに使われていたものに極めて近いミシガン・メイプルが使われています。
ピックアップは”PAF”を意識した専用モデルが搭載されており、マグネットはアルニコ、
トーンノブのPush/Pullでコイルタップが可能です。
Custom 22とそっくりな見た目ですが、クルーソンペグがついていたらMcCartyです。
翌1995年にオールマホガニーのMcCarty Standardが発売されます。
Standard 22にそっくりですがスペックはMcCartyに準じています。
当時はオプションでローズネックも選べたようですが、
今となっては贅沢な仕様ですね。
1998年にはP-90が搭載されたMcCarty Soapbarが登場。
Seymour Duncanと共同開発されたPUを搭載しており、
こちらも2006年までローズネックオプションがございました。
同時に発売されたのがMcCarty Hollowbody I。
ボディトップにはFホールが空き、リム部分で1-3/4”、センターで部分で3”のミッドデプスボディで、
マホガニーバックをくりぬき、ブリッジ下にブロックが残っているという構造です。
また構造違いでHollowbody IIもラインナップされました。
ボディ厚等は一緒ですが、ボディトップとバックがメイプルで
マホガニー製のボディサイドを挟み込むという仕組みです。
さてここからソリッド/ホロウ共に派生モデルがたくさん出てくるのですが、
そちらは次回紹介します。