[ニコニコ雑記]都会的なサイケマシーン~最近思うフェイザーのこと~
こんにちは、店長の野呂です。
東京生まれ東京育ち、山手線沿いを生活圏としている自称シティボーイの私ですが(笑)、
都会の夏に一番合うの音楽はシティポップではないでしょうか?
細野晴臣・山下達郎・大貫妙子・南佳孝など、
生粋のシティボーイ/ガールたちが発展させてきた音楽と言っても過言ではありませんからね。
以前のブログでも多々シティポップに関することを取り上げてきましたが、
今回は続編としてフェイザーについて書いていこうと思います。
80年頃を境にギターサウンドはコーラスを使用し、揺らぎと広がりを得るようになります。
しかしそれ以前の揺れもの、ことモダンなボーイたちがこぞって使用していたのがそう、
“Phaser”、もっというとMXRのPhaseシリーズです。
時は60~70年代。
大きくて扱いにくいロータリースピーカー(レスリースピーカー)によって得られる音色効果を、
なんとか他のお手軽な方法で得られないかと各社が模索していました。
そんな中でユニヴァイブやMaestro PS-1などのいくつかの”ロータリースピーカーエミュレーター”が生まれました。
そして74年に誕生したのが、MXR製のフェイザーです。
当時としては圧倒的にコンパクトな筐体で、しかも乾電池で駆動し、
ギターとアンプの間に繋ぐだけで効果が得られ、
フットスイッチで簡単にON/OFF可能というのはめちゃくちゃ画期的だったことでしょう。
こぞって様々なミュージシャンがこのMXR製Phaserサウンドを導入しています。
ところでMXRにはPhase 45、90、100と3兄弟がラインナップされておりますが、
明確な違いや使用された代表曲について正しく言及しているサイトが少なく感じます。
皆様はご存知でしょうか?
キーワードは”ステップ数”と”フィードバック”です。
まずはPhase45、こちらは2ステップの回路が採用されています。
フィードバックはあまり強く感じられない設定のため、
3兄弟の中で一番穏やかな掛かり具合のモデルです。
かけっぱなしでも嫌味がなく、ナチュラルで素朴な揺らぎが売りと言えるでしょう。
愛用者として有名なのはSex PistolsのSteve Jones氏です。
スタジオ盤、ライブ盤共にかなりの頻度で使用しているのを確認できますね。
Ultimate GuitarのインタビューでPhase45を“Anarchy in the UK”で使用したと発言しています。
続いてはPhase90、4ステップでフィードバックはやや強めの設定のため、
歪みの前段においてもしっかりかかっているのが感じられます。
(ちなみにVintageのものより写真の現行品の方がフィードバックは強めです。)
このペダルを有名にした第一人者である Van Halen氏を筆頭に、
かなり多くのプレイヤーに愛用されている定番機種になります。
ちなみにVan Halen氏のシグネチャー・ペダル、
“EVH-90”は見た目の派手さに反して非常に扱いやすいペダルです。
フィードバックもミニスイッチ一つで調整でき、
コントロールもシンプルなのでフェイザー初心者にもおすすめです。
”Eruption”がフェイザーサウンドでは有名で、
マルチエフェクターのプリセット名に採用されていることも多いです。
最後にPhase100です、10ステップフェイズ回路が採用され、
ラインナップで唯一ウェーブフォームの調整が効く機種となっています。
実は当時ミュージシャンに一番売れていたのはこのペダルなのでは?というほど使用者が意外に多いペダルです。
まずはシティポップ勢の鈴木茂氏、Char氏に始まり、Jerry Garcia氏、Mick Jones氏(Clash)、
Kieth Richards氏(Rolling Stones)、Lee Ritenour氏、Yngwie Malmsteen氏…
パンクスからフュージョン勢まで実に幅広いユーザーに愛されております。
実は私がこの頃一番熱を注いでいるエフェクターがフェイザーでして、
先日EmpressのPhaserを最近ゲットしました!!
Phase45/90同様の2段/4段フェイザーが使用でき、フィードバック量も調整できる優れものです。
めちゃくちゃ多機能なペダルで、他にもいろんなコントロールが搭載されています。
ぱっと見は非常に複雑そうなペダルですが、
つまみが多いエフェクターがあまり得意ではない私でも直感的に音作りしやすい素晴らしい設計だと思います。
特にオートモードでのエンベロープフィルター的機能が面白いペダルです。
フェイザーが使用されている楽曲を意識的に最近聴いていたので、
次回はいくつか紹介できたらと思っています。
では!