金属製ギターのお話。
今回はJames Trussart製Steelcasterのお話です。
James Trussartさんはフランス出身で、
元々はミュージシャンとしてフィドルを弾いていたそうです。
1980年代からバイオリン製作をはじめ、後にギタービルダーへと転向していきました。
そしてロサンゼルスに移住して工房を構えた2000年ごろから
あの特徴的な金属製ギターを製造するようになりました。
キース・リチャーズ、ボブ・ディラン、ビリー・ギボンズをはじめ、
錚々たる顔ぶれが彼のギターを使用しはじめ、現在でも多くの愛用者を生んでいます。
1度見たら忘れることのないであろう特徴的なルックスですが、
今回は独特なその構造を紹介しようと思います。
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トップとバックはメッシュのような仕上げになっているため、
ボディ内部が空洞のホロウボディ構造になっているのがわかります。
まずはネックを取り外してみましょう。
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ヘッドの突板はスティール製で、プレート下の文字用メッシュとともに
段差をつけて埋め込んであるところにTrussartらしさが感じられます。
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ネック自体はマホガニー製なので、ジョイントのデザインはFender等とあまり変わりませんが、
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ボディ側はボディバックの上にネック用の台座が溶接されています。
そしてジョイント部からボディの中を覗くと…
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ブリッジの下以外が完全な空洞なのが確認できます。
そのため見た目のイメージよりはかなり軽量で、
このギターの重さは3.44kgです。
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またピックガードの下には大きなスペースが設けられているので、
ピックガードさえ用意すればかなり自由にピックアップレイアウトが変更できます。
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ブリッジを外すとリアピックアップ下も空洞なのが確認できます。
ボディ自体が単純に金属製の箱なので使い方もいろいろなアイデアが浮かびそうですね。
日本では鮎川誠氏や元Judy And MaryのTakuya氏が使用していたそうですが、
最近あまり目にしなくなってきました。
人と違う1本が欲しい方には今こそオススメのギターかもしれません。
是非店頭に見にいらしてください。