27クラブの初期メン? ~ロバート・ジョンソンとGibson L-1~

こんにちは、スタッフ髙橋です!

Super GT第二戦、富士スピードウェイは皆様ご覧になりましたよね?

いやぁ、荒れましたね…

まずは高星選手と和田選手がなんとか無事でよかったです。

肝を冷やしました、かなり。

和田選手はドアも無くなっていたし、
高星選手に関しては全損級でしたし…

またその後ろを走っていた宮田選手も回避できて安心しました。

36号車とのクラッシュでペナルティーを受けてしまったのは残念でしたが、
きっとすぐにリベンジの機会が来るはずです。

次戦は鈴鹿、去年はGT-R勢が表彰台を独占しましたが
Zにかわった今年はどうなるのでしょうか。

公式ガイドブックの表紙も”Re:Set 新時代、突入。”でしたが
それがより感じられる次戦になることでしょう…。

SGTネタはまた月末に。

さて。

本日5月8日に誕生日を迎えるギタリストがおります。

しかしもうこれ以上歳をとることはございません。

何故なら彼は永遠の27歳、そして27クラブの超初期メンバーだからです。

その名はロバート・ジョンソン。

世界一有名なブルースマンの一人では無いでしょうか。

しかし活動時期は1928年から1938年までと10年に満たず、
残された楽曲も29曲/59テイク(現存は42テイク)とかなり少ないわけで。

ただ彼がこの世をさった後でも残された曲は数々のミュージシャンに歌われ続け、
その伝説は語られ続けています。

ロバート・ジョンソンが生まれたのは1911年。

年表的にはセンツォ・ペルージャによりモナリザが盗難されたり、
イタリアがオスマン帝国に宣戦布告したりした年です。

ここから彼の波瀾万丈な人生が始まります。

母の浮気相手であるノア・ジョンソンとの間に生まれたロバートは、
10代になるとジョンソン姓を名乗るようになります。 (元々は”ドッズ”姓でした)

1929年、18歳になると16歳のヴァージニア・トラヴィスと結婚、
しかし翌1930年の出産の際に子供と共にこの世を去ってしまいます。

その後ブルースマンとしてアメリカ中を旅し、
有名な”クロスロード伝説”が広まっていきます。

そうです、あの「十字路で悪魔に魂を売り渡し、引き換えにテクニックを身につけた」やつです。

その十字路はミシシッピ州クラークスデールにある、国道61号と49号が交わるところと言われており、
現地ではギターを模した看板が掲げられております。

時は流れ1936年11月、テキサス州にて初レコーディングを行い3日で16曲を録音、
翌1937年にダラスにて13曲を録音します。

この2回で録音されたテイクのみが現代に残されているロバートの作品です。

そして1938年8月16日、27歳という若さでこの世を去ってしまいます。

死因は諸説ありますが、役場の死亡届には”No Doctor”のみ記載され、
真相は分かりません…。

当時アメリカ南部ではブラインド・レモン・ジェファーソンやチャーリー・パットンらの方が
人気が高かったためか、ジョンソンの写真すら残っていない状態でした。

実際に写真が世に出たのも1989年でしたし、それまではレコードと噂でしか
彼の存在を確認できなかったということです。

そんな南部の1ブルースマンが再評価された原因は、1961年にリリースされた
“King of Delta Blues Singers”のLPです。

これを聴いたイギリスのミュージシャンたちが彼の曲をカバーとして取り上げていったのです。

皆様お気に入りのカバーはどのテイクでしょうか?

さて楽器屋さんなので最後にギターのお話を。

Robert JohnsonのギターといえばGibson L-1です。

スモールサイズのアコギで、フラットトップのモデルになります。

Gibson L-1が登場したのは1902年、ただロバートが使用していたタイプではなく、
アーチトップギターとして登場しています。

ボディサイズは13.5インチとかなり小ぶりなサイズで、
オーバル・ホール、12Fジョイントでトラピーズ・テイルピースを搭載しています。

マイナーチェンジはありながら1925年まで生産されましたが、
1926年にフラットトップとしてリニューアル。

晴れてロバート・ジョンソンが使っていたスペックになります。

当時の売価は$50で当時の最上位機種L-5の1/5以下です。
(ちなみにL-5は$275)

あまり裕福ではなかったであろうブルースマンの選択肢は少なかったでしょうし、
むしろ小ぶりなサイズは旅するにあたってはメリットだったのかもしれません。

1937年にL-1は姿を消しますが、ロバート・ジョンソン人気の再燃により
1990年代に入るとGibsonはL-1を復刻します。

廉価ブランドのOrvilleからもラインナップされるほどなのでその人気が伺えますね。

そして2007年には指板エンドに”Robert Johnson”インレイが輝く
“L-1 Robert Johnson”が登場します。

その後”L-1 Blues Tribute“にその座を引き渡しましたが、
2018年以降はL-1の新品は手に入れられなくなりました。

個人的にはとても好きなギターだったので残念です…。

L-1の復活を願いつつ今回のBlogを締めたいと思います。

それでは!

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