フェンダー マスタービルダー Dennis Galuszka ~家具職人&ドラマー 2~
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/dennis1/
さて、マスタービルダーにも昇格し、ロベンフォードモデルからストラトキャスターやテレキャスターの製作にようやく移行したデニス。
それからは数々の有名アーティストたち(ポール・マッカートニー、プリンス、ジョン・メイヤー、ショーン・メンデス、アンディ・サマーズ)のギターの製作やマスタービルダーならではの個性的なモデルたちの製作をしています。
2003年のNAMM。
南カリフォルニア出身のデニスは、フェンダーギターとカリフォルニアのサーフカルチャーの密接な関係とその歴史を祝うために、サーフボードからインスパイアされたギターを製作。
ストラト/ジャガー/プレべの3種を製作。
1960年代以前のサーフボードに使用されていたエクアドルのバルサ材(超軽量!)をトップのベニアに使用。(ボディはアルダーかアッシュ)
ボディトップにはレッドウッドを使ったダブルラインの3本のストライプが装飾として入れられています。
通常フェンダー社ではメンテナンスも兼ねて、クリスマスシーズンの間はクローズしていますが、1月のNAMMショーに向けて、マスタービルダーの中には休み返上で製作を続ける人もいたそうで、このサーフギターを製作していたデニスもその一人でした。
余談ですが、このデニスが製作を続けていた休みの期間になんと泥棒が侵入し、製作したサーフプレべが窃盗にあってしまったそうです。(ちなみにこのベースはまだ見つかっていません )
このサーフギターはフェンダーカスタムショップのカレンダーの1本としても選ばれています。
この時のサーフギターをベースとしたカスタムオーダーが数本ほど入りましたが、NAMM用のプロトタイプで使用した”バルサ材”は柔らかすぎたため、スプルースを代替品として使ったそうです。
その後もデザインも様々なヴィンテージサーフボードからコピーをして、仕様などが全て異なる全てワンオフとしています。
中にはストラトシェイプのボディにジャガーのネック、アッセンブリー、ブリッジ等を詰め込んだユニークなものまであり、今現在もオーダーが入り製作することがあるそうです。
またデニスは無類のジャズマスター&ジャガー好きとして知られています。
2004年のNAMMショーにはシャンパンスパークルのジャガーとジャズマスターを出展。
ネックにギラギラな杢目の1ピースバーズアイフレイムメイプルを使用した印象的なルックスのギターで、2007年にはフェンダーカスタムショップカレンダーの5月のページを飾るギターとして選ばれています。
2004年当時は全然売れずに売却までに相当時間がかかったそうですが、それから数年経ってから人気が高まり、複数本のオーダーが入ったようです。(時代の先を行っていたような感じでしょうか?)
2010 Winter NAMMでは、ジャガー&ジャズマスター&ベースVIを掛け合わせたダブルネックを出展。
このギターもかなりクレイジーな感じですが、こういったユニークなものを作る人物としても有名です。
~続く~