Fender 70’s Stratocasterのボディシェイプについて
こんにちは。
今回はFender 70’s Stratocasterのボディシェイプ、特にコンターについて取り上げていきたいと思います。
僕は楽器の「見た目」の話が本当に大好きで、楽器を目の前にしてもまず鳴らしもせずに見た目について散々脳内で考察してしまいます。
僕の撮影スタッフとしての個人的転機になったある時からよりその考察が捗って仕方がなくなってしまったのですが、それが先述の’70年代のStratocasterを撮影していた時なのです。
Fender 1974 Stratocaster (White/Maple) – エルボーコンター、ボディエンド側から
Fender 1977 Stratocaster (White/Rosewood)
Fender Custom Shop 2015 1970 Stratocaster Relic (Olympic White/Maple)
写真ではお伝えしにくいかもしれませんが、それぞれ年代違いの70’sにカスタムショップの’70モデル、エルボーコンターひとつ取ってもこんなに違うんです…。
撮影していた時には幾度も細かに調整しても構図を合わせることができず、まず形が大幅に違うんだ、と認識してもなおしばらく脳が混乱していました…。
それぞれ見てみると、’74はコンター自体にそれなりに深さはありますが、トップの入り始めの位置がエンド寄りで、急でキツい感じの印象を受けます。
’77はコンター自体がかなり浅く、入り始めの位置がかなりエンドに近いので、コンターではなくエッジ処理として少し深く落ちている、くらいの印象を受けます。
モデルの年代は多少異なりますが、’70モデルはだいぶ深く、かつトップもエンドに対して遠めの位置からなだらかに入り始めています。
Fender 1974 Stratocaster (White/Maple) – バックコンター
Fender 1977 Stratocaster (White/Rosewood)
Fender Custom Shop 2015 1970 Stratocaster Relic (Olympic White/Maple)
次はバックコンターです。
’74は深さがあり、サイドエッジからコンターの入り始めまでの距離が長めに取られていますが、カッタウェイおよびエンド側の入り始めに距離が取られており、全体で見ると角度が急でコンターの弧は小さめです。
’77はバックコンターもかなり小さく、深さがあまりありません。サイドエッジからコンターの入り始めまでの距離は大きく取られていません。カッタウェイおよびエンド側からの距離は大きく取られています。全体で見ると深さ自体がないので角度は比較的緩く、コンターの弧はかなり小さく感じられます。
’70モデルは70’s2本と比べてだいぶ大きく、深さがあり、サイドエッジからコンターの入り始めまでの距離が長めに取られています。カッタウェイおよびエンド側からの距離はいずれも大きく取られています。全体で見ると深さはありますがコンター自体が大きいので角度は緩く、弧もとても大きく感じられます。
ここまで違うと弾いてみた時にもだいぶ異なった印象を受けるのではないでしょうか、と思います。
同じシェイプの同じような楽器でも、年代や個体によって異なった個性を持っているのがとても興味深く、面白い部分だと思います。
今回取り上げたストラトキャスターだけではなく、ギターやエレキベースは誕生以来、他のボディシェイプについても現在まで度重なる改良が加えられていたり、新たなボディシェイプまで生まれたりしています。
ボディシェイプは、まさしく見た目でもハッキリとわかるような、弾き心地に直結する部分ではないでしょうか。ぜひ当店にてお手にとっていただいて、ピタリと合うシェイプの楽器を見つけていただけましたら幸いです。
それでは。
Fender 1975 Stratocaster Left Hand (Black/Maple)