Godinの選び方 ~Part.2 スティール弦モデルとネックシェイプ編~
今回もエレクトリック・アコースティックモデルの定番となった”Godin”のギターについてお話をしようと思います。
前回はとっても種類の多いナイロン弦モデルについて解説しましたので、
今回はスティール弦モデルのラインナップを説明します。
スティール弦モデルのラインナップはかなりシンプルです。
1.何でもできるフラッグシップモデル”Multiac Steel”
2.アンダーサドルPiezo + フロントハム搭載の”A6 Ultra”
3.マカフェリタイプの”Multiac Gypsy Jazz”
大まかにこの3機種とその派生モデルしかありません。
1.”Multiac Steel”は、”何でもできる”と書きましたが、「さすがフラッグシップ」という機能が備わっています。
アコースティックに加えてエレキサウンドも出せる仕様となっており、
それぞれの独立したPUとコントロールが搭載されています。
まずはアコースティック部分ですが、L.R.Baggs製のLyric MicとElement Piezoのブレンドが可能です。
さらに同社製のカスタムプリアンプが内蔵されており、Mic Blendや3バンドEQに加え
”Session D.I.”にも搭載された“サチュレーション”コントロールもついています。
エレキ部分ですが、フロントにSeymour Duncan製のカスタム・リップスティック・ピックアップを搭載。
ボリュームとトーンもアコースティック部から独立しています。
2.”A6 Ultra”もアコースティックサウンドとエレクトリックサウンドの同居を目指した設計となっております。
アコースティック部分のピックアップにはアンダーサドルPiezoのみが搭載されており、
3Band EQ付きのカスタムプリアンプが装備されます。
エレキ用のPUはGodinオリジナルハムバッカーが搭載されておりますが、
なんとアクティブの2Band EQが装備されています。
PUブレンドに関しては純粋にエレキとアコギのバランスのみが調整できます。
ちなみに公式ページに画像はございませんがフロントハムのない”A6″もございます。
3.”Multiac Gypsy Jazz”ですが、名前の通りジプシージャズに特化したモデルです。
ボディの形状やマカフェリ弦専用のブリッジなどかなり独特な楽器ですが、
電装系はなんでもできる”Multiac Steel”と一緒です。
ちなみに26インチとかなり長いスケールが採用されております。
スティール弦モデルはGKピックアップ登載の有無がないのでわかりやすいかと思います。
最後にGodinの楽器を選ぶ際に注目していただきたいのは弾き心地に大きく関わるネックの太さ。
ネックの太さが固定のモデルもありますが、ACSのようにエレキを主に弾いているプレイヤー向けの
スリムネックが選べるモデルもあります。
では実際どれくらい違うのでしょうか。
一般的なエレキギターのナット幅は約42mm、クラシックギターのナット幅は約52mmです。
まずはスティール弦モデルから。
A6 Ultra…42.8625mm
Multiac Steel…43.688mm
Multiac Gypsy Jazz…45.72mm
A6 Ultraに関してはほぼ標準的なエレキギター同様のナット幅なのがわかります。
Multiac Steelも43mmナットを採用したFenderのアメリカンスタンダードシリーズとほぼ幅同じです。
特化型のGypsy Jazzに関してはマカフェリ系の標準的なナット幅である約45mmに準じております。
次にナイロン弦モデル
ACS Slim…43.56mm
Multiac Nylon、ACS…48.26mm
Grand Concert…50.8mm
“Slim”を名乗るだけあってACS Slimはかなり狭いナット幅になっており、
エレキからの持ち替えも違和感なく行えるでしょう。
とは言えSlim表記のないACSやMultiacでも通常のクラシックギターよりはスリムなネックです。
普段クラシックギターを弾いているプレイヤー向けに開発されたGrand Concertは
標準的なクラシックギターにかなり近いナット幅です。
2編にわたりGodinの解説をして参りましたが、かなり細かく仕様が分けられていることがわかります。
開発コンセプトである
1. ライブでの使用を前提に企画設計
2. リアルなアコースティックサウンドをプロデュース
3. 他の楽器からの持ち替えでも違和感のない演奏性
すべてのプレーヤーがこの3つの理念を感じられるようにと
多種多様なラインナップが登場したのがわかります。
コストパフォーマンスに優れ、なおかつ実用性も高いゴダン