ハイドグルー にかわ のお話。
今回はギブソンのレスポールの仕様について考えてみようと思います。
今更ですが、2014年の仕様変更では、ハイドグルーネック、アニリンダイフィニッシュ等、製作過程に使用される物質の変更がありましたよね。
よりオリジナルに近づいた仕様との事ですが、じゃあハイドグルーやアニリンダイって
何から出来ているの?という疑問がありませんでしたか?
ではまずはハイドグルーからです。
ハイドグルーは日本語ではニカワ(膠)と言い、その成分は動物の皮膚や骨等の主成分、コラーゲンに熱を加え抽出したもので、いわゆるゼラチンです。
食品や医薬品などに使われる純度の高いものをゼラチン、日本画の画材および工芸品などの接着剤として利用する精製度の低いものをニカワと称しています。
接着剤としてのニカワの歴史は古く、5000年以上前の古代から利用されていたようです。
美術においても日本画では絵の具の固着材として鹿や牛皮のニカワが主に使われており、
西洋絵画では兎のニカワ等が使用されています。
和弓やバイオリン等の弦楽器、写真のフィルムや印画紙等にも使用されていますので、用途の幅はとても広いです。
にかわは粒状、板状、棒状、顆粒と、様々な形状で販売されています。
水でふやかし、濃度などの調整して使用します。(時間が経つと結構独特な匂いがします。笑)
通常は湯煎などで温めて液体にして接着し、その後自然に固まるのを待ちます。
性質としては、木材に対して接着力を発揮し、固まるとガラスのような硬質な個体になり、接着面の層は薄くなります。
楽器に使用される接着剤として有名なフランクリンのタイトボンドも、ニカワの層の薄さには全然かないません。
しかしながら熱や湿気には弱く、純粋なニカワだけであれば蒸気やお湯等で溶けるので、簡単に接着が剥がれます。
ギターは接着面が広いのでそもそも剥がれにくいと思いますが、今までニカワがはがれた、なんてお話は聞いた事がありませんので、何か特別な製法や方法があるのかもしれません。
と、ここまでニカワについて書いてきたのですが、接着剤の層の薄さや、固まった後の硬化度がギターの仕上がりに影響がありそう、と個人的には考えます。
長くなってしまいましたので、アニリンダイについては次回に!
それでは。