Impressive Guitars ~12~
こんにちわ、スタッフの斉藤です。
印象に残っているギターを紹介していくシリーズ。
今回はこちら!
Marchione MK-1 Guitar
写真からも高級感は感じますが、実際に見るとより一層のその上質さを感じさせる1本です。
これまで取り扱ってきたギターの中でも、最も完成度の高い一つと言っても過言ではない素晴らしいギターです。
現在も当店に別の1本を在庫しておりますが、やはりオーラが違う。
“Marchione”はルシアーのステファン・マルキオーネにより立ち上げられたアメリカのブランドで、ポール・サイモン、マーク・ノップラー、ジョン・アバクロンビー、マーク・ホイットフィールド、マイク・モレノ等、ジャンルを超えて数々のプレイヤーたちに愛用されています。
“古い時代の完璧さと先進的なデザインのミックス”をコンセプトに、自身とわずか5名のスタッフによる機械を使わないハンドメイドにて年間50本程度のみを生産しています。
“If you are sick and tired of factory guitars with mediocre maple on questionable mahogany with boorish machine carving, this is the guitar for you.”
(工場機械による粗雑なカーヴィングの施された平凡なメイプルと怪しいマホガニーに飽きたなら、この1本を)
とブランドの謳い文句もハッキリしたものとなっています。
それではここでルシアーのステファン・マルキオーネをご紹介します。
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ボストン生まれ、ヒューストン育ち、ナロパ大学でジャズギターの学位を取得。
卒業後にニューヨークへ渡り、John Suhrの弟子となり、Rudy’s MusicのPensa-Suhr Guitarsで働くことになる。
しかしJohn Suhrはすぐにアンプ作りに励むためにカリフォルニアへ行ってしまう。
その後、Rudy Pensaから店を任され、そこからの約3年超の間にJohn Suhr本人よりもPensa Suhrギターを製作することに。
その数年後、Pensaを辞めて、1993年に自身のショップをマンハッタンにオープン。
月に1本のギター製作とリペアをしつつ、その間に弦楽器の研究のためヴァイオリン職人のGuyRabutを師事し、D’AngelicoやD’Aquistoなどの名器を研究することで、伝統的な技術や構造など弦楽器を製作するための様々なノウハウをさらに作り上げる。
そして2002年にはヒューストンに戻り、現在の工房を始める。
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経歴だけ見ると急にPensaでギターを作っているように見えますが、もちろんそれ以前に個人的にいろいろとギターの加工や製作などをしていたようです。
現在は1本のギターに約300時間は費やすという彼ですが、インタビューや新聞記事を読むと、“全ての接着面は必ず僕の手で完璧に整えてから接着している” 等、本当に完璧主義なのだなと感じさせる発言がチラホラと。
非常に高価なものですが、長い時間と技術の粋を注ぎ込んだ至高の1本にその価値はあるのではないでしょうか?
彼の作ったアーチトップやスルーネックギターもまた弾いてみたいものです。
それでは次回もお楽しみに。