Impressive Guitars ~9~
こんにちわ、スタッフの斉藤です。
印象に残っているギターを紹介していくシリーズ。
今回はこちら!
Collings O2HA
アコースティックギターのご紹介は初となりますが、記憶にあるアコースティックギターの中でも圧倒的に好きなサウンドの1本でした。
このギターの入荷後からCollingsのアコースティックギターには特に注目しているのですが、これまで弾いた全てのギターが、どれもサウンド&弾き心地ともに全く文句のつけようのない最高のクオリティでした。
驚愕のメーカーです。。。
それではコリングスについてご紹介します。
ルシアーのBill Collings氏は、1975年にヒューストンのパイプライン/オイルフィールドの道具工場で働きつつ、自宅のキッチンテーブルでギター制作を開始し、夜な夜なギター作りを続け、様々なプレイヤーに売却を始める。
その頃から評判は上々のようで、ヒューストンで約50本ほど制作するに至り、当時の顧客の中には、シンガーソングライターのLyle Lovettも含まれていたそう。
ガールフレンドとのトラブルを理由にヒューストンからサン・ディエゴへの移住を決め、向かったビル氏は途中のオースティンでマンドリンメーカーであるTom Ellis(現Eliis Mandlins)が工房をシェアしてくれるということで、そこに居座ることに。
しばらくはそこで週1本ペースでのギター制作とリペアをすることで得たお金でパーティー三昧したそうです。
しかし1985年にミッドライフクライシスを迎えた彼は”もっと真剣にやればいいギターが作れる”と考えた彼はパーティーをやめたそう。(本人談)
その2年後に、ヴィンテージコレクター/バイヤーとしても著名なGeorge Gruhnによるオーダーで24本を制作し、そのギターが評判となり多数のオーダーが舞い込むことに。
そこから1991年までに口コミでも広がった評判からPaul Simon、Joni Mitchel、Eddie Van Halen等、名だたるプレイヤーたちから愛用されているギターを生産します。
90年代後半にはKeith Richardがコマーシャルで使用したことで全国からオーダーが入ったそうです。
当初従業員5人の小さかった工房も数十人の働く大きな工房に移転し、”木材”x”技術”x”設計”に拘った世界的に評価の高いハイクオリティなギターを生み出すメーカーとなりました。(Texas Monthlyより)
余談ですが、コリングスの工房のあるテキサスのオースティンはアメリカ国内でも音楽の街として非常に有名な場所で、“Live Music Capital of the World” (ライブ音楽の首都)というモットーを都市が掲げていて、一晩で100を超えるライブが行われることもあるそうです。
South By South Westという大きなフェスティバルもよく知られていますね。
個人的にオースティンを訪れたことがありますが、ダウンタウンの小さなエリア内にライブをしているバーが軒を連ねていました。
ライブハウスが隣り合うようなこと、まして数件並ぶことは日本だと珍しいと思いますが、そこでは当然のようにお店が連なっていて、皆並んでいるミュージックバーを夜な夜なハシゴしてました。
日本的感覚でいうと地方都市の中の小さなエリアの1箇所にライブハウスが100ほど密集してるという感じでしょうか。
ミュージシャンにとっては素晴らしい環境ですね。
さて、そんなミュージシャンだらけのオースティンでルシアーとしてミュージシャンたちからの絶大なる信頼のもとに確固たる地位を築いたBill Collings氏。
超完璧主義者として知られた氏は、従業員にも自身同様のクオリティを求めたそうです。
残念ながら2017年にコリングス氏は死去されましたが、メーカーには彼の思想や拘りなどが引き継がれているでしょう。
またコリングスのギターが入荷するのを心待ちにしています。
それでは次回もお楽しみに。