ジェームス・タイラー 8
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/jamestyler7/
2007年、タイラーは脳腫瘍と診断されました。
2008年には脳外科手術を受けるために休みを取ることを余儀なくされます。
タイラー本人のチェック無くして出荷されていなかったとするタイラーギターの生産は縮小を余儀なくされ、ディーラーからの新たな注文は受け付けられなくなりました。
新たなプロジェクトや製品を沢山打ち出していて、会社もとても好調だっただけにとても悔しい思いをしたことでしょう。
それからの数年間は、タイラー自身はもちろんのこと、社としても非常に困難なものになりましたが、ギターの生産が完全にストップすることは無かったそうです。
ちなみにタイラーは術後、わずか6日で退院して、ギターのクオリティーチェックに戻っていたとの噂がありました。(真偽のほどは明らかではありません)
そして、タイラーの健康状態の回復に伴い、従業員の変遷や大規模な設備投資などが行われることになりました。
ラフカットのためのCNCルーターやその他のコンピューター制御の装置も適宜取り入れられたようで、タイラーギターの生産力は以前にも増して高いものになっていきます。
しかしながら、タイラーのポリシーに従って、まだまだ多くの部分を手作業でこなしており、機械では再現出来ない”Human
Factor”を大切にした生産体制を守りました。
ネックの最終工程は必ず手作業で仕上げられ、ボディはサンディング、ペイント、バフがけなども何時間もかけて行います。
フレットは、10ステップもの長い工程を経て、打ち込み&研磨されており、コンピューター制御の機械では作ることの出来ないクオリティとなっているそうです。
(フレットの打ち込みもタイラーにはこだわりのある部分なようで、工房を見学した人々がタイラー本人がフレット作業をしていることが多々目撃されています)
手術から5年後、2012年にはタイラーのキャリア40周年とタイラーヘッドストックのデビューから25周年を迎えました。
そしてここでタイラーにとって大きなプロジェクトが日本で立ち上がります。
~続く~