ジェームス・タイラー ~手作業へのこだわり~
マイケル・ランドウやダン・ハフなどのトップスタジオミュージシャンに愛用されていることで知られるジェームス・タイラー。
日本でのライセンス生産もあるほどのトップブランドとなりましたが、どのような人物とブランドなのか深堀したいと思います。
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1951年、LAに生まれる。
1964年の夏、中学一年生の頃に初めてギターを始めました。
最初のギターには年齢にも合ったスチューデントモデル”Fender Duo Sonic”を手に入れたそうです。
中学~高校とバンド活動に明け暮れていた頃に、フェンダーの12弦アコースティックギター”Shenandoah”モデルも新たに追加。
その頃から数年間、ロサンゼルス在住で著名なギタリストTED GREENE氏からのギターレッスンを受けるようになります。
ハーモニクスを駆使したハープ奏法やソロギターを得意とするジャズギタリストからレッスンを受けていたのは少々意外ですね。(当然ジャズを習うだけではなかったようです)
レッスン時に、Bluesbreakers with Eric Clapton、通称”The Beano Album”を聴いて衝撃を受けたそうで、現在でもタイラーはベストアルバムの一つと思っているそうです。
高校在学時に、タイラーは”特に理由もなく”ギターを解体と組み立て、リフィニッシュなどを始めます。
(公式ページには”特に理由もなく”と表記されていますが、過去のインタビューでは、自身の細かい欲求を満たしてくれるリペアマンが周りにいなかったから自分で始めたと語っています)
ギターの基本構造やとアッセンブリーなどを理解して、友人のギターのリペアや改造なども始めます。
大学では建築、デザイン、音楽、写真、神学を学びました。
在学中には、地元のギターショップでギターのリペアとして働きながら、さらにアルファロメオ、ランチア、BMW、フィアットの工場で自動車整備士として働きました。
(車好きなようで、ギターのカラーリングにもその影響はあるようです)
1972年にはガレージで自身のリペア業をスタート。
1978年、”Norman’s Rare Guitar”で、ショップの主な修理と修復を受け持つ専属リペアマンとなります。
そこから2年間、 ショップを介して様々な経験を積んだタイラー。
ちょうどその頃にSchecter(シェクター)やKUBICKI(クビッキ)などが、ネック/ボディ/リプレイスメントパーツ等の製造や販売を始めていており、
それらのパーツを組み合わせたコンポーネントギターの需要がスタジオ/セッションミュージシャンの間で高まっていました。
元々はタイラーはビルダーになろうとは思ってもいなかったそうですが、リペアマンとしてミュージシャンから高い信頼を得ていたタイラーの作るカスタムメイドギターを求める声が寄せられることになり、それに応えることになりました。
SuhrやSadowskyらと同じように、SchecterやTom Andersonからネックやボディを調達して、Duncanなどのピックアップを載せたカスタムギターの製作を始めていきます。
そして、1980年にカリフォルニア州リシーダ(LAの郊外)に新しいリペア/カスタムギターショップをオープンします。
~続く~