Klein S-Tele Swamp Ashのプロトモデル入荷。
今回は”人間工学に基づいたギター”の代名詞とも言えるKleinのお話です。
Steve Kleinは1967年からギター製作に携わっており、
72年に誕生したOvation Breadwinnerのデザインも手掛けたと言われております。
そんなKleinさんを有名にしたのが80年代に登場したヘッドレスギターです。
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トラスロッドのないローズウッドネックが特徴のBF-96が様々なギタリストに使用され、
1990年にSteinbergerとのコラボレーションによるりGK-4Tをはじめとした
グラファイト製のモデルが発売されることとなります。
その後近年までほとんど新品の流通がなかったのですが、
キャリアスタートの1967年からから50年経った2017年ごろから
再びコンスタントに楽器を製作するようになりました。
今回入荷したのはその翌年2018年に製作されたテレキャスタースタイルの
S-Teleモデルのプロトタイプです。
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テレキャスタースタイルと言ってもコントロールやアッセンブリーに面影がある位で、
それ以外はKleinテイスト満載のギターとなっています。
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まずボディには美しい木目のアッシュ材が使用されており、
人間工学に基づいた伝統のシェイプに仕上げられています。
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ネック材のメイプルにはロースト加工が施してあり、
指板は装飾板を挟みネックと接着するという手間のかかる構造になっています。
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ポジションマークが弧を描くように配置されていてかわいいです。
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ヘッド側に移動していくと、0フレットがあり、
弦がずれにくくなるよう独特な打ち方でポストが立てられています。
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ペグポスト面は格弦毎に段差がつけられており、
ストリングガイドも格弦毎に設置されているのが特徴的です。
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ペグのつまみも真鍮削り出しの専用パーツが使われています。
8~90年代のKleinはSteinbergerからの流用パーツで製作されていたので、
ここまで自社パーツが使用されたのは初めてではないでしょうか。
Kleinさんのこだわりを感じていただけると思いますので、ぜひ見にきてください。