Mike Eldred マイク・エルドレッド ~フェンダーカスタムショップの改革とジョン・ペイジからの移行~ 12

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/mike-eldred-11/

マーケティング部門総責任者となった後は、10年ほどの間フェンダーカスタムショップの”顔”となったマイク、

製品紹介、ビルダーの紹介、さまざまなQ&A、ありとあらゆる宣伝や広告に登場し続けました。

2000年代半ばから後半頃には、当時副社長であるRichard McDonaldからの薦めで、コロナ工場近辺からフェンダーの本社付近に引っ越したそうです。

マイクの今後のキャリアのため、そして企業全体にマイクの影響力を生かしたいというのがその理由でした。

それからはコロナとアリゾナを行ったり来たりしながら仕事を続けます。

タイムマシーンシリーズ、トリビュートシリーズ、アーティストモデル、マスターデザインシリーズ、ビルダーセレクト、リミテッドエディション等々、2000年から2010年代後半までの間に挙げていくとキリがない数の様々なプロジェクトを成功に導いていきます。

なかでもマイクが直接手がけたもので有名なものの一つが、ジミ・ヘンドリックスが1969年のウッドストックで使用した1968年製のストラトキャスターのレプリカ。

かつてないレベルの再現度を求めるギターとして、シリアルナンバー、パーツ類、これまでのオーナーなどなど、そのギターにまつわる膨大資料を集めて徹底的なリサーチが進められ、当時実機が展示されていた”Jimi Hendrix Exhibit”に行き、計測や記録を行いました。

そのレプリカはマイク・エルドレッド一人のみの手で数本のみ完全限定で製作されることになったそうです。

関係者への無償での提供やオークションにのみ出されただけとなっており、現在では幻のギターとして目が飛び出るような高値がついています。

マイクは経営陣の刷新後、2014~2015年頃に退社。(ハッキリとした理由は語られていません)

フェンダーを離れた後のインタビューでは、フェンダーで行った仕事は
“別に好きでもなかったが、あくまで家族を養っていく金銭を得るために全力を尽くしていた”
とハッキリと語っています。

同インタビューで、フェンダーにいた経験からのアドバイスとして

“必要以上に欲張らないこと。
何かをしようとしている他の人を助けること。
量ではなく、質を追求すること。
他の誰も言わないことを言うこと。
ありのままの自分に忠実であれ…ありきたりな言葉に聞こえますが、それが真実です。
他者はあなたに何かを真似してほしいのではなく、あなた自身が何を言っているかを聞きたいのです。”

と残しています。

さて退職後、フェンダーにいた頃からもずっと続けていたマイク・エルドレッド・トリオでのバンド活動に専念することにします。

マイク・エルドレッド・トリオはこれまでに3枚のレコードをリリースしており、現在4枚目のレコードに取り組んでいます。

2016年に発売された”Baptist Town”では、ゲストにDavid Hidalgoデイヴィッド・ヒダルゴ、Robert Cray(ロバート・クレイ)、John Mayer(ジョン・メイヤー)を招いた豪華なアルバムとなっており、ロサンゼルス・タイムズ紙の投票で2016年のトップ10リリースの1つに選ばれました。

現在もこのバンドで精力的な活動を続ける傍、現在はSunn AmplificationのChief Marketing Officerにもなっているようです。

~終わり~

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