Mike Eldred マイク・エルドレッド ~フェンダーカスタムショップの改革とジョン・ペイジからの移行~ 1
1990年代後期から2010年代半ばまで、フェンダーカスタムショップの責任者としてその手腕を発揮したことで知られるマイク・エルドレッド氏。
カスタムショップユーザーの多くの方は、認定書に書かれた彼のサインを一度は目にしているのではないでしょうか?
カスタムショップ創世記を支えたジョン・ペイジからマネージャーを受け継ぎ、隆盛期へと導いたマイク・エルドレッド。
今回はそんな彼の経歴、人物像、フェンダーカスタムショップにおける功績などを深堀していきます。
1960年、カリフォルニア州ポモナ生まれ。(LA中心部から東におおよそ50km弱)
14歳の頃に両親から兄弟に1本ずつ購入してもらいギターを始める。
なんと購入してから1ヶ月もしない内に近所の誰かに盗まれたそうで、その後ボロボロになった使用不可能な状態で発見、、、
その後すぐにまた2本目のギターを買ってもらうことになりました。
ガレージで父のオーディオ用のアンプを見つけたマイクはそこに直でギターを挿して、ただひたすらにフィードバック音を楽しんでたそうです。
そうした時に兄の友達が訪れ、チューニングやアンプなどギターに関するアレコレを教えてもらい、ようやくギターを弾く体制が整えられました。
最初に練習した曲は、Chuck Berryの”Carol”。
16歳の時に初めて見たブルースのライブがLightnin’ Hopkins(ライトニン・ホプキンス)のライブだったそうで、その時はかなりの衝撃を受けたそうです。
また最初の頃に最も影響を受けたアーティストとして挙げているのは、エルヴィス・プレスリーのギタリストとして知られるScotty Moore (スコティ・ムーア)とジミ・ヘンドリックス。
17~18歳の頃には、当時評判だったバンド”Van Halen”(おそらく爆発的に知名度が上がる直前)のライブを何度も見に行き、セットの間にはエディーと話をして、電話番号も交換したそうです。
エディは当初1964年製のストラトキャスターを弾いていたそうですが、ある日ブラック&ホワイトストライプのギターを持ってライブに現れました。
それを見たマイクがどこで手に入れたのか尋ねると、サン・ディマスにあるシャーベルで手に入れたとのこと。
早速エディーからシャーベルの電話番号を聞き出したマイクは電話をして、ギターのオーダーメイドに関して訊ね、その後工場を直接訪れました。
1977年当時、元々経営不振だった小さなリペアショップのシャーベルにグローバー・ジャクソン氏が加入し、その1年後には元のオーナーが売却を決めましたが、グローバーはこのショップにまだ可能性を感じていたため、そのままショップを買い取ることに。
元々シャーベルで働いていたスタッフ2人は買取直後に辞めることになり、グローバーは妻のシャノンと二人きりで仕事をしていました。
そんなタイミングで、当時グローバー・ジャクソンにカスタムメイドのネックやボディをオーダーするためにお金が出来る度に訪れて支払いをしていたマイクは、グローバーに従業員を募集していないか訊ねました。
グローバーは当初、手を痛める可能性もあるという理由でギターリストはやらない方がよいとあまり勧めなかったようですが、マイクからの強い要望で受け入れることに。
マイクにとって、夜にはバンドの練習や活動があるため働く時間帯が”9時~17時”であることが重要で、グローバーはそれも認めてくれたようです。
そうして1978年1月、マイクが18歳の時にカリフォルニア州サン・ディマスのChervel/Jackson(シャーベル/ジャクソン)で最初の従業員として働くことになりました。
余談ですが、この時にマイクが提出した申込書はフェンダーがシャーベル/ジャクソンを買収した際に本人の手元に戻ってきたそうです。
~続く~